長寿世界一の徳之島。長生きできる秘訣と理由についてまとめてみた

巨木

徳之島は子宝の島とともに長生きする人が多い島でもあります。ここ最近、長寿世界一といわれる徳之島は、温暖な気候や長寿食材といった徳之島特有の「秘訣」があるのではと最近注目が集まっています。今回は、なぜ長寿の島といわれるようになったのかについて見ていきたいと思います。

徳之島の長寿を語る上で外せない人物

一時期、ギネスブックには史上最高齢の男性として徳之島で暮らしていた泉重千代さん(享年120歳)が載っていました。のちに年齢を証明する証拠が不足していたので、記録は抹消されましたが、一躍徳之島が長寿の島であることを有名にする出来事となったわけです。現在は泉重千代さんの住宅近くに本人の銅像が建てられており、観光名所となっています。また、本郷かまとさんも、徳之島の伊仙町出身で、徳之島の長寿を語る上では外せない人物の一人で今も語り継がれています。

なぜ100歳を超える歳になっても、元気に働き続けることができ、ギネスブックに載るような年齢まで長生きすることができたのでしょうか。

徳之島で育った泉重千代さんの「長寿十訓」

長寿十訓
出典:伊仙町役場
泉重千代さんは、幼少の頃から砂糖工場で働き始め、その後、サトウキビ畑のオーナーとして100歳近くまで現役で働き通した「最も長い職歴」も持っている方です。生前に、長寿について語った「長寿十訓」がありますのでご紹介したいと思います。
長寿十訓

  • 一.万事くよくよしないがよい
  • 二.腹八分めか7分がよい
  • 三.酒は適量ゆっくりと
  • 四.目ざめたとき深呼吸
  • 五.やること決めて規制正しく
  • 六.自分の足で散歩に出よう
  • 七.自然が一番さからわない
  • 八.誰とでも話す笑いあう
  • 九.嵐は忘れて考えない
  • 十.健康はお天とう様のおかげ

出典:伊仙町役場
当たり前のようでいて、なかなかできないことなどが長寿十訓のなかで書かれています。これらの訓示を参考に、日常生活で少しずつ取り入れてみてはいかがでしょうか。

徳之島が長寿の島となった理由

徳之島の風景
ここでは徳之島に住む人々がなぜ長寿になりやすいのかについて見ていきたいと思います。

晩酌

泉重千代さんは生前、毎日というほど晩酌をしていたそうです。徳之島では黒砂糖の甘い香りと口当たりのマイルドな黒糖焼酎がよく飲まれています。黒糖は白砂糖と比べ、ミネラル成分が豊富に含まれており、血圧を下げる効果あるとされています。また、適度にお酒を飲むことで、ストレス解消にもつながっているのではないでしょうか。

長寿食材が豊富

徳之島では長寿に必要不可欠な栄養素を食材からとることができる環境が整っています。有名な食材としては海藻のアオサ、漬物などにして食べる青パパイヤ、豚肉、サトウキビ、発酵飲料として飲まれている島の栄養ドリック「みき」などです。

長名草の名で離島を中心に食用として使われているボタンボウフウという薬草を徳之島では「まぁざく」と呼んでいます。徳之島で、「一株食べれば一日長生きする」と言い伝えられる薬草で様々な料理に使われる長寿食材です。そのほかフルーツではマンゴー、タンカン、ドラゴンフルーツなどビタミンやミネラルといった成分が豊富に含まれる食材や食料品が多くあります。

徳之島の島人はこれらの食材を日常生活に取り入れています。黒砂糖や島ドーナツなどともによもぎを煮出ししたお茶を飲んでゆっくり休んだり、夜は晩酌で黒糖焼酎を飲んだり。ごく自然に栄養豊富な食材を摂ることが、長寿につながっているのかもしれません。

また、徳之島は島全体がサンゴ礁の地質でできているため、地下には鍾乳洞が広がっています。この鍾乳石から流れ出る水は、カルシウムを豊富に含んでいる硬水で、飲み水として使われています。この硬水を使うことで、十分なカルシウムを摂ることができるといわれているのです。

さらに、徳之島には「長寿鍋」といわれる郷土料理もあります。みそ味のスープに、鯛や伊勢エビなどの海鮮食材を入れた長寿鍋は、徳之島では「漁なぐさみ」と呼ばれています。これも島民にはなじみ深いメニューの一つなんです。

ストレスがたまらない環境

温暖な気候
ヨナマビーチ
徳之島は一年を通して温暖な気候が続きます。亜熱帯性の気候は、雨が多いとされていますが、徳之島の場合は梅雨の5月、6月あたりに降り、1年を通してみたら雨量は多いわけではありません。

年間の平均気温は22°前後と過ごしやすく、冬の時期を外せば温暖な気候が続くため、体調管理などもしやすい気候と言えます。
闘牛やトライアスロンなどの行事が多い
闘牛のバトル
徳之島の闘牛トライアスロンの記事でもふれましたが、徳之島では島民一丸となって盛り上がるイベントが多く行われています。闘牛で新年と5月、10月に全島大会が行われますし、6月には徳之島全体を使ったトライアスロンが開催されています。イベントに合わせて島外からも多くの人が集まるので、自然と交流が生まれるようになります。色々な人が徳之島に訪れることで、長寿十訓にあるような誰とでも話して、笑いあえる機会が増えるのも長生きにいい影響を与えているのではないでしょうか。

また、徳之島の民謡である島唄などを三味線とともに陽気に歌う場面もあります。歌を歌っている人も、聞いている人も和やかな雰囲気になり、ストレスなんか忘れてしまう、そんな環境を作っているのではと考えられます。

まとめ

tabica
ainiでは徳之島の島人とともにめぐるローカルツアーやワークショップなどを開催しています。島人と交流できる着地型観光で、実際に島民の生の声が聞けるので、徳之島に興味を持つきっかけになることでしょう。ぜひ体験に参加してみてくださいね。
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