徳之島の観光をするうえで、闘牛大会を一度は見てみたいと思う方もいるのではないでしょうか。闘牛と聞くと、スペインを思い浮かべる方は多いと思います。しかし、日本でも牛同士が闘う格闘技として行われています。プロレスや大相撲などと一緒で迫力ある牛の決闘を見ることができるとあって、大衆の娯楽として親しまれているのです。
なかでも、徳之島の闘牛大会は盛り上がりを見せており、観光客が訪れて観戦することもできます。そこで、今回は徳之島の闘牛大会について見ていきたいと思います。
※徳之島の観光についての記事はこちら
徳之島の闘牛の歴史について
徳之島の闘牛の歴史は、江戸時代からすでに行われており、闘牛大会を通して島民の娯楽文化が築かれていったとされています。闘牛はもともとは、農耕作業で牛を飼育していて、牛同士が縄張り争いで、けんかを仕掛けることから端を発しているといわれています。
戦後、しっかりとした闘牛組合が作られ、規約や運営に関することを徳之島町、天城町、伊仙町の3つの町が共同して行う組織ができました。そのため、現在まで大相撲のような娯楽として市民に愛されるようになっていったのです。現在、徳之島には7つもの闘牛場があり、屋外から全天候型のドームまで、様々です。
徳之島の闘牛大会が盛り上がる理由
闘牛大会⚡️in徳之島‼︎
白熱の闘いでした??#闘牛#徳之島 pic.twitter.com/20bAPBezae— Sa-ya (@Saya22Saya22) 2017年4月15日
徳之島以外でも日本では闘牛が行われていますが、地域によっては若手の後継者の担い手不足が問題となっているといわれています。しかし、徳之島は島民の娯楽、興行として定着しており、さらに観光客にも人気のため、新しく闘牛のオーナーになって最高位のタイトルである横綱を目指す人が多いそうです。
闘牛もしくはけんか牛と呼ばれる牛が、ダイナミックにぶつかりあい、勝ち負けに一喜一憂でき、ハラハラドキドキする試合運びはリピーターになる人も多いとか。また、相撲のように番付が決められているので「闘牛ファン」と呼ばれる人が、応援する闘牛の試合を見に足を運ぶことも徳之島では盛んです。闘牛オーナーの知り合いでは、応援団として参加したりと島民それぞれ、闘牛大会に対して関心を寄せています。これだけ熱気に満ちた大会を行なっていれば、それにつられて観光客も自然と闘牛に対して興味が湧き、足を運ぶきっかけづくりになることでしょう。
闘牛大会の番付やルール
闘牛大会の番付については、相撲の番付と同じようにして考えられています。横綱、大関、関脇、前頭、花形、若手花形、特別など、練習試合の勝敗や実績などに応じて決められていきます。
闘牛大会のルールは、闘牛同士が角で突き刺してお互いぶつかり合います。どちらかの闘牛が戦いから逃げたら、勝敗が決まる仕組みになっています。すぐ勝敗が決まる場合もあれば、何十分もの死闘が繰り広げられることも。
30分ほど経過しても、決着が付かない場合は観客の同意もとで引き分けとされます。
闘牛大会の見どころ
島の風景【闘牛】
沖縄県うるま市と徳之島は闘牛が一大文化。
三ヶ日は闘牛大会が連日続き、島民大勢が熱狂しています。ほぼゼロ距離での観戦するので、臨場感は凄まじいです。 pic.twitter.com/FP95kEhrlo— 緑色のウサギ (@greeeenpeeeace) 2017年1月3日
それでは実際の闘牛大会の見どころをお伝えしたいと思います。
闘牛の技
闘牛にも相撲と同じように技があります。これらは闘牛のオーナーがトレーニングして身につけさせています。決まり手になるような技を本番でも出せるように、闘牛用の牛として育てた実力を見るのも闘牛観戦の醍醐味です。
掛け
闘牛の基本的な攻め技であり、相手の闘牛に角を掛けることにより、容易に攻撃を仕掛けづらくなります。そのため、体力や戦意を消失しやすくなるといわれています。
突き
角で相手を突き刺し、顔面目掛けて突きを繰り返す技です。鋭く上に向いた角を持つ闘牛が繰り出し、あっというまに勝敗を決めることもある技です。
腹取り
小型で下向きの角を持つ闘牛が得意とする技が腹とりです。筋肉質な体を素早く相手の闘牛をすくい上げ、バランスを崩しにかかる技で、一気に攻め立てる技です。
闘牛の角
また、闘牛の角にも注目です。闘牛によって、体型は重さなどそれぞれ違います。特にぶつかり合う角の形は重要です。角の特徴や個性を生かして、相手とどう戦うか、どう攻めるかなどの戦術を見ながら、闘牛の戦う勇姿もしっかりと観戦したいですね。
カブラ
カブラは、闘牛同士が衝突し、組み合う時にちょうど顔の正面にくるのが特徴。カブラの角をした闘牛は、真っ向から闘いづらく、技を仕掛けやすいとされています。
タッチュー
真上に伸びた角た特徴のタッチュー。突きに適した角は闘牛らしい風格を漂わせる美しい形をしています。
トガイ
前方に湾曲し、鋭く尖った角で相手を突くのに適した形。闘牛の中でも理想の角の形とされています。
勢子や応援団の盛り上がり
闘牛を叱咤激励して、戦闘モードにさせ勝利に導かせる牛の操り手のことを勢子と呼びます。牛のオーナーがやる場合もあれば、若手の闘牛士が行なう場合もあります。牛ごとに闘牛ファンや知り合いが応援団として声援を送ります。
勝利が決まるやいないや、歓喜の太鼓が鳴り響き、まるでお祭り騒ぎのように舞い踊る姿もまた、戦いの健闘ぶりを讃え、拍手喝采が起こる瞬間でもあります。応援団によって、その歓喜の表し方も異なるので、この辺りも注目して闘牛観戦してみるのもいいでしょう。
徳之島のおすすめの闘牛大会は?
角突き合わせ熱戦 徳之島、伝統の闘牛大会 – MSN産経フォト http://t.co/nWB9CTRPXl 島で最強の牛を決める「全島一戦」で熱戦を繰り広げる牛 =4日午後、鹿児島県徳之島町 pic.twitter.com/xulNyYcdVF
— KOKUMINnoKOE (@KOKUMINnoKOE) 2014年5月4日
徳之島では大きな闘牛大会が1月の初場所、5月の春場所と10月の秋場所の計3回行われています。
この3つの場所は「全島一決定戦」 と呼ばれ、島内から選抜された闘牛たちが「全島一横綱(チャンピオン)」最高位のタイトルを目指し戦います。現在は闘牛の重量に合わせて、
と定められ、それぞれタイトル戦が行われます。
それ以外でも小規模の大会が不定期で実施されています。詳しくはこちらのサイトでチェックしてみてくださいね。
さいごに
ainiでは徳之島で現地在住の方とともに島内をめぐったり、ワークショップを行う体験ツアーを開催しています。普通の旅行では味わえないローカルな体験を通して、徳之島観光の思い出を作ってみませんか。
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