いまやSuicaでも気軽に入れる!東京で江戸文化を感じられる都立庭園特集

六義園

都内には、見ているだけ、その場所にいるだけで落ち着く、リラックスできる都立庭園があります。今回は、東京で昔の江戸文化の象徴である大名庭園の面影が残る都立庭園スポットを見て回り、見どころをお伝えしようと思います。

小石川後楽園

小石川後楽園
小石川後楽園は、東京ドームや東京ドームシティ近くにある都立庭園です。周囲は、ジェットコースターで楽しむ声や、東京ドーム内でのイベントの熱気とはかけ離れた、非常に落ち着いた雰囲気を感じることのできる都立庭園となっています。小石川後楽園は、おなじみの水戸黄門様のゆかりの地として知られています。というのも、江戸時代初期の1629年、水戸の徳川家の頼房、二代藩主の光圀公により現在の小石川後楽園が造られたからです。庭園内には、紅白の梅が時期になると咲き誇ります。毎年、2月、3月頃にかけて梅の鑑賞や日本の伝統芸能を楽しむことができるイベント期間があり、週末には多くの来園者で賑わいます。自然美しい庭園の景観は、国の特別史跡・特別名勝に選定されています。
園内の地図
入り口には、小石川後楽園の全体図を把握できるMAPがありました。今回ご紹介する都立庭園の中では、1.2位を争う広大な敷地を有しています。受付のスタッフに尋ねると、おおよそ全て見るには50分ほどかかるとのこと。写真を撮ったり、庭園内でくつろぐことを考えると滞在時間は2時間前後みておけばよいでしょう。比較的空いている朝一に行き、水道橋周辺でランチか、昼下がりの散歩として入るプランが浮かびそうですね。
庭園内の丘
他の都立庭園に比べ、小石川後楽園は非常に丘が多いと感じました。回遊式庭園として、緑美しい景色が辺り一面広がる様子は、江戸時代から伝わる日本の美、和の優美な世界を堪能できると思いました。
小石川庭園の様子
庭園の池の様子
小石川という名前の通り、庭園内にはあちこちに石が並ぶ景観だったり、石段、石づくりの道など、石の美を感じることができる場所が点在しています。小石川後楽園の最も注目するべきポイントです。見る場所、日の当たる角度によって、全く違う美を感じる、そんな情景を心ゆくまで楽しめるくらい、印象的でした。
円月橋
昔の橋の様子がわかる貴重な建造物である円月橋。水面に映る形が、まるで満月のように見えることからこの名前が名付けられました。当時の姿そのままに、周囲の緑とも実にマッチする写真スポットとなっています。
石段
愛宕坂からの眺め
愛宕坂の頂上から見下ろす景色を見るために、少し急な石段の上り坂へ。坂上から眺めた景色は、日照と自然、石の並びのハーモニーが絶景ともいえる風合いで、見るものを感動させます。
愛宕坂の階段
京都愛宕山の坂にちなんで造られた石段。こちらは都道府県と同じ四十七段あり、急な様子を伺い知ることができます。
丸八屋の様子
小石川後楽園へまず入ると、眼前に大泉水と呼ばれる美しい池が広がっていますが、その池をぐるりと一周するように回遊して小石川庭園を楽しみます。こちらの写真は2月に旬を迎える梅林、花菖蒲が咲く稲田と呼ばれるスポットを越えると、歴史を感じる九八屋と呼ばれる小屋敷から撮ったものです。昔の「酒を飲むには昼は九分夜は八分にすべし」というお酒の飲み過ぎを控えるとのことで、名前が付けられたそうです。このような茶屋で当時の大名の方々は美しい庭園風景を眺めて夜を過ごす、とてもロマンチックな思いを連想できる場所です。
蓬莱島の小寺院
大泉水にポツリと浮かぶのが蓬莱島です。そのところに、小さな小寺院があります。少し遠目にある幾分の朱は、周囲の緑との調和を図るとともに、庭園の魔よけ・安全の意が込められています。
内庭
小石川庭園は大別すると後楽と内庭の2つに分かれます。この内庭は水戸藩の書院があったところです。風情はる景色、池のほとりには座る場所があり、昼時にはお弁当を食べる姿も。景色がよいとウキウキした気分で食事も進みそうですね。
出口付近
大泉水の反対側へ。石の道と大泉水のコントラストは日本の美を感じるおすすめの写真スポットです。ここまでおよそ1時間30分ですが、とても景美で庭園散歩を満喫できました。

基本情報

【開園時間】9:00~17:00
【休園日】年末・年始(12月29日~翌年1月1日まで)
【入園料】一般300円、65歳以上150円(小学生以下及び都内在住・在学の中学生は無料)
【アクセス】都営地下鉄大江戸線飯田橋駅 C3出口下車 徒歩3分/JR総武線 飯田橋 東口下車 徒歩8分/東京メトロ東西線・有楽町線・南北線 飯田橋A1出口下車徒歩8分
【住所】東京都文京区後楽1-6-6

小石川後楽園の詳細 

六義園

六義園
和歌の心色づく風情ある大名庭園の六義園。周りは高級住宅街で囲まれた、他の都立庭園とは少しばかり格式高い都立庭園で、四季折々の美しい景色を楽しめる場所として特別名勝に選ばれています。
六義園
まず六義園に入ると、目の前に大きな大泉水が広がります。六義園はもともと中国の分類法にならった和歌より由来されており、「むくさその」とも呼ばれているそうです。そして架けられた橋は、周囲の景観との調和が美しさを感じる、まさに大名庭園といった感じを受けます。
吹上茶屋
途中、美しい自然や岩の景観を眺めながら、ゆっくりとくつろげる吹上茶屋は、日本庭園を満喫できる、絶景ポイントです。吹上茶屋の特製の抹茶と上菓子セットを注文し、日本のわびさびを感じてくださいね。

六義園は、他の庭園と違い、独特な雰囲気と自然の美しさが際立つ名所だと思いました。これが桜や紅葉シーズンになると、多くの人手で賑わう形になります。

基本情報

【開園時間】9:00~17:00(入園時間は16:30まで)
【休園日】年末・年始(12月29日~翌年1月1日まで)
【入園料】一般300円、65歳以上150円(小学生以下及び都内在住・在学の中学生は無料)
【アクセス】山手線・東京メトロ南北線 駒込駅下車 徒歩7分/都営地下鉄三田線 千石駅下車 徒歩10分
【住所】東京都文京区本駒込6

六義園の詳細 

旧古河庭園

旧古河庭園
旧古河庭園は、大正時代のハイカラな和と洋の美が調和した庭園美が広がる都立庭園で、国指定名勝に選出されています。庭園に入場すると、右手にまず見えるのが、石造りの洋館です。ここはまるでヨーロッパのような気分にさせるほど英国式の洋館、邸宅が佇んでいます。また、しぶい色のレンガが旧古河庭園のフラワー、緑とのコントラストも抜群で、写真スポットにもなっています。
遠くから眺めた洋館
遠くから眺めた洋館もまた美しい情景で、旧古河庭園の美しさを感じることができます。このおしゃれな洋館を設計したのは。日本の建築界に寄与した人物であるジョサイア・コンドル氏。鹿鳴館やニコライ堂など多数の有名建築を残した偉人の作品はやはり、見るものを魅了する建築物でした。
日本庭園
日本庭園は、心字池を中心に回遊する形式となっており、入口付近の西洋を意識した洋風庭園とは打って変わり、和の景美を大事にした造りで、見るものを楽しませてくれます。旧古河庭園は、さほど広いとは感じないのですが、その分、西洋と和のいいところが両方贅沢に味わえます。
日本庭園
日本庭園を造ったのは、当時名を馳せていた、庭師の植治(小川治兵衛)が手がけています。枯山水の要素や草書体の心、灯篭など景観美にこだわった大正時代の庭園の代表作として名声を得ました。
森林
旧古河庭園は、自然が残された形で、森林浴もできるほど、散歩するのにうってつけの場所です。力強い岩がその存在感を示すほど、敷地内には緑が生い茂ったスポットが多くありますよ。また、旧古河庭園はフラワースポットとしても有名で、入口付近の西洋庭園では、季節に応じた花々を見物することもできます!ぜひお花を散策しに足を運んでみてくださいね。

基本情報

【開園時間】9:00~17:00(入園時間は16:30まで)
【休園日】年末・年始(12月29日~翌年1月1日まで)
【入園料】一般150円、65歳以上70円(小学生以下及び都内在住・在学の中学生は無料)
【アクセス】京浜東北線 上中里駅下車 徒歩7分/東京メトロ 南北線西ヶ原駅下車 徒歩7分/JR山手線 駒込駅下車 徒歩12分/都電荒川線 飛鳥山駅下車 徒歩18分
【住所】東京都北区西ヶ原1

旧古河庭園の詳細 

旧芝離宮恩賜庭園

旧芝離宮恩賜庭園
旧芝離宮恩賜庭園は、浜松町や汐留のビル群などを目の前にした、都会のオアシスともいえる場所としてしられ、老若男女問わず、庭園内を楽しむことができる場所です。現存する大名庭園としては最も古いものとして知られ、国の名勝指定を受けていつ都立庭園です。

なんといっても旧芝離宮恩賜庭園は、見晴し台から眺める浜松町の電車の走る様子、東京大都会を象徴するような大きなビル群、そして晴れ渡った空を全てファインダーに収めることができるシャッターチャンスが多い場所だと思いました。
都心の様子
浜松町ビルの様子
浜松町や田町など多くの会社員で行き交う町のせわしさは微塵も感じない、そんな都会のオアシスのようなリラックス空間が旧芝離宮恩賜庭園といえるでしょう。池の水辺に浮かぶカモや水鳥、そして大きなビル群が水面に反射する様など、写真を撮りいくのも最適な場所ですよ!
みずのしぶき
まるで温泉が湧き出ていると錯覚してしまいそうな、水が湧いている場所がありました。庭園美と水のコントラストは綺麗ですが、このように、近くで水しぶきをあげている様子は、また違った美しさを感じますね。岩、緑がかったコケ、そして水と自然のオーケストラが聞こえてくるような、そんなせせらぎを感じながら庭園内を回遊していきます。
美しい石灯篭と日本庭園
日本庭園
旧芝離宮恩賜庭園には、石灯篭、そして歴史的建造物、石の配置などまるですべて計算されているかのような、綺麗に写る箇所がいくつも点在しており、ファインダー越しに美しい写真を収めたい方にはもってこいの場所です。日照の関係や、天候、時期などすべてが相まって庭園美を彩りますので、訪れた時には前とは違う表情の庭園を見ることができるでしょう。
庭園美
東京モノレールを望む景色
ちょっとした木々の風景も日本庭園をバックにすれば、とても様になる写真を撮ることができます。まさに自然の絶妙なバランスだといえるでしょう。また、見晴台からの眺めはまさに絶景。時折、新幹線や列車が走り去る姿を眺めながら、東京都内で、ゆっくりと時間を過ごすことができる旧浜離宮恩賜庭園を思う存分楽しみましょう。

基本情報

【開園時間】9:00~17:00(入園時間は16:30まで)
【休園日】年末・年始(12月29日~翌年1月1日まで)
【入園料】一般150円、65歳以上70円(小学生以下及び都内在住・在学の中学生は無料)
【アクセス】JR山手線・京浜東北線 浜松町駅下車北口 徒歩1分/都営地下鉄大江戸線 大門駅下車 徒歩3分/都営地下鉄浅草線 大門駅下車 徒歩3分
【住所】東京都港区海岸1

旧芝離宮恩賜庭園の詳細 

浜離宮恩賜庭園

浜離宮恩賜庭園
浜離宮恩賜庭園は、旧芝離宮恩賜庭園から歩いていけるほど近い、汐留に位置する都立庭園です。江戸時代には、本城を守る出城としての機能を果たしていました。浜離宮恩賜庭園は、水面に鳥も遊ぶ都心のオアシスと呼ばれるほど、潮風そよぎ海水を引き入れ、眼前には東京湾を望む水辺の庭園です。その景観の美しさゆえ、国の特別名勝および特別史跡に選定されています。
日本庭園
景色から見るビルディング
まず中の御門をくぐりぬけると、目の前に開けた景色が広がります。特に順路などはなく、庭園内を自由散策したり、入り口すぐ隣の野外宅広場でご飯を食べたり、バーベキューを楽しむなど、都立庭園の中では、思い思いに過ごすことができる場所だと感じました。

中島の御茶屋は、かつて将軍たちが美しい日本庭園の眺望を見ながら休憩できる場所として使われていました。
現在では、抹茶や和菓子など当時さながらのお茶タイムを楽しむことができます。ただ、混雑時には人手で賑わうので、並ぶこともあります。
日本庭園の景観
日本庭園でくつろぐ
広大な敷地には、御茶屋が全部で3つ、みどころ盛りだくさんと全部ゆっくり見る場合、2〜3時間ほどはかかると思います。東京湾のパノラマビューは、浜離宮恩賜庭園でしか味わえない絶景です。また、浅草や両国、お台場などまで発着する水上バスが出ており、都内観光の起点として使われています。実は歩いて築地市場にも行けるので、浜松町で降りて旧芝離宮恩賜庭園とともにまわり、築地市場へ行くなどアクティブに東京観光を回るならオススメコースです。
東京タワーを望む景色
東京のシンボルである東京タワーも、浜離宮恩賜庭園から見ることができます。見晴しがよい、広々とした庭園だからこその景色です。

基本情報

【開園時間】9:00~17:00
【休園日】年末・年始(12月29日~翌年1月1日まで)
【入園料】一般300円、65歳以上150円(小学生以下及び都内在住・在学の中学生は無料)
【アクセス】
・大手門口
都営地下鉄大江戸線 築地市場駅・汐留駅 ゆりかもめ 汐留駅下車 徒歩7分/JR・東京メトロ銀座線・都営地下鉄浅草線 新橋駅下車 徒歩12分
・中の御門口
都営地下鉄大江戸線 汐留駅下車10番出口 徒歩5分/JR浜松町駅下車 徒歩15分
【住所】東京都中央区浜離宮庭園1-1

浜離宮恩賜庭園の詳細 

さいごに

いかがでしたか。都立庭園には、都会を感じさせない美しい自然と緑色づく空間が広がっています。魅力的な庭園は、値段もすべて500円以下で入場できるなど、リーズナブルな価格ですので、気軽に足を運ぶことができるのも利点ですよ。

また、最近ではSuicaなどの電子マネーで決済できるため、簡単スムーズです(庭園によっては電子マネーが使える入口が限られているので、要確認)。
お花見の季節や紅葉など四季折々の時期には多くの来園者が訪れるので、混雑必至のところもあるのですが、シーズン外にきても、とても落ち着けるため、ぜひリラックスしに庭園へ足を運んでみてくださいね。

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tabica
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