江戸の文化がなくなる!?「野菜の種」から文化を残す!江戸東京野菜研究会・大竹道茂さんにインタビュー

 

こんにちは!突然ですが皆さん。

この二つの野菜、何だかわかりますか?

 

 

 

答えは、左側が品川カブ、右が亀戸大根です。

「えっ、こんな形のカブがあるの?」と思った方もいるかもしれません。一見、どちらも大根に見えますよね。

 

そんな少し変わった特徴のあるオモシロイ野菜。これは、東京という大都会で古くからその地域に根付いてきた伝統的な野菜です。

その名も「江戸東京野菜」

 

 

 

今回は、地域ならではの魅力を発信するainiが、

江戸東京野菜の文化を守っていらっしゃる「江戸東京・伝統野菜研究会」代表の大竹道茂さんに、インタビューしてきました!

 

 

そもそも江戸東京野菜とは?

江戸東京野菜とは、東京周辺で古くから生産されてきた伝統野菜です。

伝統野菜とは、「古くから生産されてきた野菜の地方品種」つまり固定種のこと。

 

「江戸東京・伝統野菜研究会」の活動について

研究会の活動の目的としては、”江戸東京野菜を守ること”。その代表として大竹さんは、

一流ホテルのシェフとコラボしていろいろ企画を考えたり、バスツアーをしてみたりと、

江戸東京野菜をブランドとして残していくために、幅広く活動されているそうです。

 

江戸東京野菜の種類について

「たとえば、早稲田みょうがという早稲田周辺で根付いたみょうががあってね」

その一言から、約30分にもわたり、早稲田みょうがについて熱弁してくださった大竹さん。

 

みょうがは地下茎で増えていくものだからもしかしたら今も早稲田の地にあるのでは?」とひらめき、

ブログで「早稲田みょうがを探しませんか?」と募集をし探した、とのお話をしてくださりました。

しかも、様々な方のご協力のもと、なんと実際に約30ヵ所でみょうがを発見したんだとか。

ちなみにそんな早稲田みょうがはこちら。

 

ふつうのみょうがと比べて、ぷっくらした形と、この赤みが特徴的です。

 

 

また、江戸東京野菜は、この早稲田みょうが以外にも「亀戸大根」「品川カブ」「寺島なす」など、

42種類もの品目にわたります。これらは今も「固定種」の伝統野菜として脈々と受け継がれているそうです。

江戸東京野菜の持つ「歴史や物語」がなくなることへの危機感

しかしそもそもなぜ、江戸東京野菜を復活させようと思ったのでしょうか。

昭和40年代にオリンピックのためにどんどん建物が増えたそうです。そして高度経済成長の流れで、

安定して全国から都市に食物の供給をしていくことが必要になっていったのだとか。

しかし、固定種は揃えが悪いことから段ボールには収まらない。

これは困ったということで、大量生産・大量流通に対応するために交配種(F1種)が作られていったということでした。

 

つまり、そういった全国的な流れの中で、東京の生産者も作りやすい交配種へとシフトし、一代限りの野菜となってしまいました。

「そうなってしまうと、その野菜の持つ地域の歴史や物語はないよね。」と大竹さん。

 

地域の歴史や物語、ですか。

「野菜が一つの種を繰り返して育ってきた土地、住んでいた人。そういった江戸の文化がなくなる危機感のようなものは感じる。つながってきた一つのいのちを、無くしてはいけないと思う。だからこそ守っていきたいのだけどそれは、”大量に江戸野菜を全国に売り出したい!”ということではなくて、東京に来て食べていただくおもてなし食材でもあるんです。

 

大量生産には向かないけれど、いのちが繋がっている伝統野菜

伝統野菜を守っていくために、今後、具体的にはどんな取り組みをされていくのでしょうか?

「最初に話したこと以外の取り組みとしては、子ども達に対しての教育などを行っている。小学校に行ったりね。」

そんな大竹さんは、「上級生が育てた野菜の種を下級生に引き継ぐ」という取り組みなんかに呼ばれたこともあり、

そうやって上の世代から下の世代に種が受け継がれていく様子を見ると嬉しいと笑顔で語ってくださりました。

 

本当に幅広い切り口からアプローチされているのですね。

ainiでも農家さんに実際にお会いして、農作業を体験するといった企画をしているので、一緒にそんな江戸東京野菜を盛り上げていけたらいいなあと思いました。

「農家さんの一角で、伝統野菜を育ててもらうだけでいいんだ。そうやって少しずつ広げていけたらいいなあと思っている。

みんなでそれぞれ、できることをやって伝統野菜を守っていきましょう。」

 

大竹さんのお話を聞いて、伝統野菜の背景にある地域の物語などを感じた今回のインタビュー。

私達ainiもそんな地域ひとつひとつの持つストーリー残し、伝え続けていけたらいいなあと改めて思いました。大竹さん、ありがとうございました!

大竹道茂さんプロフィール

昭和19年東京生まれ。JA東京中央会で平成元年より江戸東京野菜の復活に取り組む。

現在は「江戸東京・伝統野菜研究会」代表として、小学校での食育の授業やイベントプロデュースなど幅広い活動をしている。「江戸東京野菜(物語編)始め、著書多数。

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