不登校の出席扱い制度とは?利用方法と実際の現場感を解説

お子さんが学校に行けない状況が続くと、「このまま休みが長引いたら、進級や卒業はどうなるのだろう…」「勉強が遅れてしまうのではないか…」といった不安がのしかかってくるかもしれません。

そんなときに、少しでも心の負担を軽くし、前向きな気持ちを取り戻すための一つの選択肢となるのが、文部科学省が示している「不登校の出席扱い制度」です。この制度は、学校以外の場所での学びも、一定の条件を満たせば学校の出席日数として認められるというものです。

ここでは、この出席扱い制度の概要や、実際に利用するための流れについて、わかりやすく解説していきます。学校に行けない期間も、お子さん自身のペースで学びの機会を持ち続けることは、自信や自己肯定感を育む上でとても大切なことです。

なお、私たちaini school 小・中等部は、出席認定取得率100%(2024年12月1日時点)を達成しているオンラインフリースクールです。学習指導要領に準拠した学びの内容や、在籍校・自治体とのきめ細やかな連携、そしてお子さん一人ひとりに寄り添うサポート体制により、この高い認定率が実現できています。不登校の状況でも出席扱いを取得したいとお考えの方々を、全力でサポートいたしますので、ご安心ください。

不登校の出席扱い制度とは?

学校に行けない日が続くと、どうしても「欠席日数」が気になってしまうものです。保護者の方にとっては進級や進学への影響が心配になりますし、お子さん自身も「自分だけが取り残されてしまうのでは」といった焦りや罪悪感を感じてしまうことがあるかもしれません。

しかし、そうした不安を少しでも和らげるための仕組みとして、文部科学省の方針に基づき、特定の条件を満たすことで「学校以外の学習でも出席扱いとする」制度が存在します。

文部科学省の通達による“出席扱い”とは

この制度は、文部科学省が全国の教育委員会に向けて示している方針に基づいています。

具体的には、「不登校の子どもが学校以外の場で学習・指導を受けた場合でも、一定の要件を満たせば出席とみなしてよい」という内容です。

つまり、学校に通っていなくても、学びを継続していることが認められれば、欠席扱いにはならない可能性があるということです。

たとえば、フリースクールでの活動や、ICT(情報通信技術)を活用したオンライン学習教材などを用いた在宅での学習が、この制度の対象となり得ます。「学校外での多様な学び」や、専門的な知識を持つスタッフによる支援が、学校側が定める要件に沿っていると判断されれば、指導要録上の出席日数としてカウントされるのです。

ただし、最終的な判断は、お子さんが在籍している学校の校長先生や、地域の教育委員会が行うことになります。そのため、まずは在籍している学校に相談してみることが、第一歩となります。

出席扱いの対象や要件

出席扱いとして認められるための具体的な基準は、お住まいの地域や学校によって異なるガイドラインが設けられている場合があります。

しかし、一般的には以下のような点が考慮されることが多いようです。

  • ①お子さんの学年や年齢:基本的には、小学生・中学生が対象
  • ②利用する民間施設等の活動内容:フリースクールなどの民間施設を利用する場合、その活動内容が学校の教育課程を補うものとして適切であるかどうかが考慮される
  • ③学校との連携がとれるか:定期的に学習の進捗状況を学校に報告するなど、学校側との連携が取れている必要あり

これらの要件は、一見すると少し難しく感じるかもしれませんが、一つひとつ確認しながら進めていけば、決して乗り越えられないものではありません。

大切なのは、学校側と丁寧に対話を重ね、お子さんにとって最善の方法を一緒に見つけていく姿勢です。焦らず、一歩ずつ進めていきましょう。

不登校でも出席扱いになると、どんなメリットがあるか?

「出席扱い」の認定を受けることは、単に指導要録上の欠席日数を減らすという形式的な意味だけではありません。

それ以上に、お子さん自身の気持ちに寄り添い、少しずつ前向きなエネルギーを取り戻すための、大切なきっかけとなり得るのです。

自己肯定感が高まりやすい

学校に行けない状況が長く続くと、お子さんは「自分は他の子と違うのかもしれない」「勉強についていけなくなってしまう」「周りに迷惑をかけているんじゃないか」といったネガティブな考えにとらわれやすくなることがあります。こうした自己否定的な感情は、さらなる孤立感や無力感につながってしまう可能性も否定できません。

しかし、「学校には行けていないけれど、自分のペースで取り組んだ学習が出席として認められる」という経験は、お子さんにとって大きな意味を持ちます。

「自分なりに頑張っていることが認められた」「ちゃんと前に進んでいるんだ」という実感は、「次はこれをやってみようかな」という意欲を引き出し、失いかけていた自信や自己肯定感を少しずつ育む助けとなるでしょう。

学校以外の場所での小さな成功体験が、次の一歩を踏み出す勇気につながるのです。

進級や内申点の不安を和らげる

特に中学校や、その先の高校進学を控えているご家庭にとっては、欠席日数や内申点(調査書点)の扱いは、非常に大きな心配事だと思います。

「このまま休みが続いたら進級できないのではないか」「受験に不利になってしまうのではないか」といった不安は、お子さんだけでなく、ご家族全体のプレッシャーになりかねません。

出席扱い制度をうまく活用することができれば、こうした進級や内申点に関する具体的な不安を軽減することができます。

欠席日数が増えることへの焦りが和らぐことで、お子さんもご家族も少し落ち着いて、今後の学習計画や進路について考える余裕が生まれるかもしれません。

ただし、繰り返しになりますが、出席扱いの認定や、それが内申点にどのように反映されるかは、最終的には各学校長の判断によります。そのため、できるだけ早い段階で在籍している学校の先生とよく話し合い、具体的な見通しを確認しておくことがとても大切です。

出席扱い制度の利用手順

「出席扱い制度が良いものであることは理解できたけれど、実際に利用するには、どういうステップを踏めばいいのだろう?」と、具体的な手続きについて疑問に思われる方もいらっしゃるでしょう。

ここからは、出席扱いが認められるまでの一般的な流れについてご紹介します。ただし、これはあくまで一例であり、地域や学校によって細かな違いがある点はご了承ください。

まずは担任の先生に相談する

最初の一歩として、まずは現在のお子さんの状況や、出席扱い制度を利用したいという意向について、在籍している学校の担任の先生にご相談されることをおすすめします。

このとき、もしフリースクールの利用やオンライン教材の活用などを具体的に考えている場合は、その旨も伝えておくと話が進みやすいかもしれません。

また、不登校のお子さんの中には、生活リズムが乱れ、昼夜逆転の状態になっているケースも少なくありません。

もしそうした状況であっても、正直に先生にお伝えし、無理に元のリズムに戻そうとするのではなく、少しずつ調整していきたいと考えていることを共有できると、先生も状況を理解しやすくなるでしょう。

大切なのは、隠さずに現状を伝え、学校と協力していく姿勢を示すことです。

学校や教育委員会での協議

保護者の方からの相談を受けて、学校内、あるいは必要に応じて地域の教育委員会も交えて、「どのようにすれば出席扱いとして認定できるか」という具体的な検討が始まります。

この段階で、利用を検討しているフリースクールの活動内容やカリキュラム、これまでの実績、ICT教材の場合はその内容や学習管理システムなどが確認されることがあります。

また、学習の進捗状況をどのように学校へ報告するのか、どのくらいの頻度で情報共有を行うのかなど、具体的な連携方法についても話し合われる可能性があります。

学校側も、前例が少ないケースでは慎重になることもありますが、お子さんの学びを止めないために、前向きに検討してくれる場合が多いはずです。

出席扱いの条件・計画を確認

協議の結果、出席扱いとするための具体的な条件や計画が示されることがあります。

たとえば、「週に〇日以上、フリースクールに通うこと」「毎週末に学習記録を提出すること」「定期的にオンライン面談を行うこと」といった内容が、学校によっては求められるかもしれません。

ただし、私たちaini schoolがこれまでサポートさせていただいたケースを見る限りでは、必ずしも学校側が非常に細かい利用計画や厳密な学習記録の提出を必須とするわけではなく、提出された資料(出席証明レポートなど)を確認するだけで、柔軟に出席扱いを認めてくれる場合も多くあります。

これは、学校や先生方が、お子さんの負担にならないように配慮してくれている表れかもしれません。

どのような形になるかは学校ごとに異なりますので、提示された条件について不明な点や、実行が難しいと感じる点があれば、遠慮なく質問し、親子ともに納得できる形で進められるように調整しましょう。

スタート

必要な手続きを経て、出席扱いの条件が明確になれば、いよいよ学校外での学習活動がスタートします。

開始後も、決められた方法で学習記録を提出したり、定期的に学校と連絡を取り合ったりすることが求められる場合があります。

継続的に状況を共有することで、学校側も安心してお子さんの状況を見守ることができます。

オンラインフリースクールのaini schoolで支援できること

出席証明書私たちオンラインフリースクールaini school 小・中等部では、不登校の状態にあるお子さんとそのご家族が、安心して出席扱い制度を利用できるよう、様々な側面からサポートを提供しています。

私たちは、お子さんや保護者の方が抱える不安や葛藤を否定せず、まず受け止めることを何よりも大切にしています。その上で、無理なく通い続けられる仕組みや、生活リズムの改善に向けたサポート体制を整えています。

毎朝9時スタートだから、少しずつ生活リズムが整えやすい

不登校のお子さんによく見られる悩みの一つに、昼夜逆転など生活リズムの乱れがあります。

夜遅くまで起きていて朝起きられない、という状況が続くと、罪悪感を感じたり、日中の活動への意欲が低下したりすることもあります。

aini schoolでは、毎朝9時からオンラインでの活動を開始していますが、「絶対に朝型のリズムに戻さなければならない」とプレッシャーを与えることはありません。

まずは参加できる時間から少しずつ関わり、オンライン上の仲間やスタッフとの交流を通して、朝の時間帯を意識するきっかけを作ることを目指しています。

お子さん自身のペースを尊重しながら、焦らず、ゆっくりと生活リズムを整えていけるよう、温かく寄り添いながらサポートします。

オンライン対応で、遠方からでも参加可能

「近くに通えるフリースクールがない」「まだ家の外に出ることには抵抗がある」といった状況のお子さんでも、aini schoolはオンラインで参加できるため、場所を選ばずに学びの機会を得ることが可能です。

ご自宅という安心できる環境で、自分のペースで学習を進めたり、他の生徒と交流したりすることができます。

また、出席扱い認定のために必要な学習成果や活動状況の報告についても、オンラインでスタッフと連携しながらスムーズに進めることができます。

これにより、書類作成などの保護者の方の負担を軽減することにもつながります。

学校とのコミュニケーションもバックアップ

出席扱い制度を利用するにあたって、「在籍している学校の先生と、どのように話を進めればいいかわからない」「制度についてうまく説明できるか不安」といったコミュニケーションに関する悩みもよくお聞きします。

aini schoolでは、こうした保護者の方の不安にも寄り添い、スタッフが必要に応じて学校とのやり取りをサポートします。

たとえば、制度の説明資料の準備をお手伝いしたり、メールや電話での連絡を代行したりすることも可能です。

多くの学校では、月に一度、aini schoolが発行する出席証明レポートを提出することで連携が成り立っていますが、それ以上に個別の連絡が必要な場合も、私たちが間に入り、保護者の方と学校との架け橋となれるよう努めています。

保護者の方だけで抱え込まず、ぜひ私たちにご相談ください。

不登校の出席扱いに関してよくある質問

不登校のお子さんの出席扱い制度を利用しようと考える際、保護者の方からは様々な疑問や心配の声が寄せられます。

ここでは、特によくいただくご質問とその回答をいくつかご紹介します。参考にしていただければ幸いです。

フリースクールや家庭学習に取り組めば、必ず出席扱いになりますか?

残念ながら、フリースクールに通ったり、家庭でICT教材などを使って学習したりすれば、自動的に必ず出席扱いになるというわけではありません。

出席扱いが認められるためには、前述したように、文部科学省の方針を踏まえつつ、お住まいの地域の教育委員会や在籍している学校が定めている要件を満たす必要があります。

特に重要なのは、事前に学校と十分に相談し、合意形成を図ることです。どのような学習活動を、どのように進め、どのように報告するのか、といった点を学校側と共有し、理解を得ておくことが不可欠です。

地域によって基準や認定のハードルが違うのでは?

はい、その通りです。文部科学省は基本的な方針を示していますが、具体的な運用ルールや認定の基準、手続きの詳細は、各自治体の教育委員会や個々の学校によって異なるのが実情です。

ある地域では比較的柔軟に認められるケースでも、別の地域ではより詳細な計画や報告が求められる場合もあります。

そのため、まずはインターネットなどで一般的な情報を集めるだけでなく、必ずお子さんが在籍している学校に直接相談し、その学校や地域の具体的なガイドラインを確認することが最も確実な方法です。

昼夜逆転している場合、朝からフリースクールに行かなければ認められないの?

必ずしも「朝から活動しなければ認められない」というわけではありません。

もちろん、学校や自治体の判断によりますが、「決まった時間に活動すること」よりも、「お子さんなりに学習を継続し、社会とのつながりを保とうとしていること」が重要視されるケースが多いようです。

aini schoolのように、朝9時スタートでありながらも、お子さんのペースに合わせて参加を促し、ゆるやかに朝の活動習慣づくりをサポートするフリースクールもあります。

まずは、お子さんの現状を受け入れ、無理のない範囲で始められる方法を探すことが大切です。利用を検討しているフリースクールがあれば、そうした生活リズムへの配慮についても相談してみると良いでしょう。

出席扱い制度を上手に活用しよう

学校に行けない状況が続くと、どうしても焦りや不安が募りがちですが、不登校のままでも学校の出席として認められる「出席扱い制度」は、そうしたご家庭にとって大きな支えとなり得る制度です。

しかし、その具体的な進め方や認定の条件は、お住まいの地域や学校によって様々です。「うちの子のような状況でも、この制度は使えるのだろうか?」「何から始めればいいのかわからない」と感じたら、どうか一人で悩まず、まずは在籍している学校の先生や、私たちのようなフリースクールに相談してみてください。

aini scholオンライン授業

aini school 小・中等部は、出席認定取得率100%(2024年12月1日時点)の実績を持つオンラインフリースクールです。

学習指導要領に準拠した授業内容、学校や自治体との確かな連携、そして一人ひとりに合わせたサポート体制が整っているため、高い認定率を実現できています。不登校であっても出席扱いを取得し、学びを継続したいとお考えの方は、安心してご活用ください。私たちが全力でサポートいたします。

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