野生の庭の面白さ
2021/6/14(月)
当たり前ですが、バラ劇場にも幕が。クライマックスはいつだって長くは続かないもの。野生の庭をめぐる季節はさながら野外劇場。初めには終わりが。そしてまた新しい展開が。バラの陰で目立たなかったヤブデマリが満開で存在感!
葉芽を摘んで1か月半。今年のサンショウは早や実を膨らませ始めています。ほら、「サンショウはカンキツ類です。」と自己主張しています。植物たちも自身の感覚器官で季節を感じて芽を出し、葉を繁らせ、花や実をつけ、あるいは胞子を飛ばす。ある年はのんびりと、ある年は忙し気に。生きるためには環境を感じとる力は欠かせないということ。時として自然の脅威にさらされてしまう私達の生きるヒントにもなるかな。
動けない植物は環境に合わせながら生きている。一方でその生命活動によって環境を少しずつ変えていく。老齢の木が倒れれば日向が増えて、地面に今までより陽光がとどくようになる。今年はやけにタツナミソウが増えているみたい、来年も続くかどうかはわからないけれど。こんな驚き、これも野生の庭の面白さ。何しろ種を、苗を買って植えるのではないから何が出てくるかはお楽しみ。今年の庭は決して去年の庭とおなじではないのです。
↓シソバタツナミも。
↓キランソウも。地面ではシソ科、花盛りですね。ここはプラント・コミュニティ、雑草という言葉での排除はしません。
野生の庭は完全な野放しの野生ではないけれど、できるだけ人間の介入を抑制。だから、そこをすみかとして生きる動植物相互の多様なかかわりが見えます。人間社会の出来事もすべてここで起こっていることと大差ないことを実感。