出会いの喜び、スズムシソウ

2021/5/11(火)

スズムシソウは本当に小さなラン。目立たない色でそっと咲きます。目立たないと思うのは私たち人間だけで、スズムシソウ自身は小さな虫に来てもらえるような、確実に「目立つ」仕組みを備えているんだよと言いたいに決まっています。そうでなければこの厳しい自然の中で今まで生き残ることはできなかったはず。これから咲こうというスズムシソウ。一番下の2つのつぼみが緑から茶色っぽく変化してきています。





スズムシがいるように見えますか。下から上に向かって開花していきます。他の草に紛れているスズムシソウが運よく目に入った時には最高のプレゼントをもらった気分。出会えたら「またいつか会おうね」と、そっと声をかけます。散策のひそかな楽しみ方です。





花を描いてみたら本当にスズムシみたい。



ランと言えばこちらは目立ちます。↓ でも目立って損することもあります。これまでに随分抜き取られてしまったことでしょう。もう野生の姿にはめったに出会うことはありません。同時に咲いている植物でも生きていく知恵は一様ではありません。それが手に取るようにわかります。学校の勉強より面白いよ、と言いたくなります。



見たいと思えば、こんな植物たちにすぐ会える、地方に住む利点です。

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