シカも食べないヤマシャクヤク
2021/5/9(日)
シカは食べ物に不足するとあの硬いモミの葉さえむしり取って食べます。イチイの木の皮を剥いで食べます。それに私達が春に食べるコゴミはもちろん、コンロンソウも、クロモジの葉も、サンショウの葉も大好き。なんだ、私たちと同じじゃない!なんて妙に納得。だからシカを非難することもできない。「人間も食べているでしょ」と言われそうだから。何でも食べてしまうシカ、それなのにヤマシャクヤクには見向きもせずに、その傍らで寝転んでいたりします。
ヤマシャクヤク、朝、咲きそうでした。この植物は昔から薬用。鹿も薬は苦手なのですね、きっと。その花は大きくて清楚で多分誰でもファンになってしまうでしょう。来年はちょっと寄って見ていただきたいものです。
ホウチャクソウ、これもシカはほとんど食べていないようです。そのため、いたるところで花をつけています。ホウチャクソウは可愛らしいのに有毒です。
シカ達、ホウチャクソウは食べないのに一見似ているヤマユリは大好きで、特に蕾が付く夏にはどのユリも食いちぎられて大被害。その上、イノシシまでユリ根が大好物ときています。このままじゃヤマユリが無くなってしまう。我が家では何本かのヤマユリにネットを掛けて保護しています。少しでも生き残ってね、という思い。
こんどは葉を出したばかりのシダ、オシダやイノデが標的に。シダは葉と柄の部分しか地上に出していません。これで今年の成長はもう見込めないかも。
そしてもう一つ、シカが食べない有毒植物、ヤマトリカブト。花は秋。注意深いシカは食べません。でも間違って噛みつく慌て者もいます。当たり前と言えば当たり前ですが動けない植物は有毒物質など様々な防衛手段を進化させているのです。では、シカは通常どうやって有毒植物をかぎ分けるの?と聞きたくなります。私達人間は生活の中のこのような危険を直接体験することが少なくなっています。だから知らない植物には手を出さないことが鉄則です。
昼になったらヤマシャクヤクの花が少し開いてきました。こんな様子を見られるのも田舎暮らしの楽しみです。少しずつご紹介していきます。