遊行柳
2021/4/18(日)
遊行柳
4月20日、芭蕉は芦野(現在の栃木県那那須郡那須町芦野)の遊行柳を訪れます。
遊行柳の遊行とは時宗のこと(一遍上人が開祖 鎌倉仏教の1つ)
藤沢にある遊行寺の歴代の住職が巡教で必ず参詣に訪れたことに由来します。
また謡曲 遊行柳では次のように演じられています
遊行上人が白河の関を越えて陸奥に入ると老人が現れ、
遊行聖が通った古道と朽ち木の柳を案内すると申し出、
柳の朽ち木を西行がここで休んで歌を詠んだと教える。
上人から十念を受け取ると柳の塚に消えて行く。
その夜念仏を唱えていると柳の精が現れ、十念により
草木までも成仏出来たことを喜び、柳に纏わる故事を連ねる。
やがて夜が明けると翁も柳の葉も消えて朽ち木だけが残った。
西行が奥州に下る際、この場所で休んで歌を詠んだのですね。
『道みちの辺べに清水しみず流ながるる柳陰やばぎかげ、
しばしとてこそ立ちどまりつれ』
西行を慕う芭蕉ですから、時間を越えて同じ場所に立った
気持はいかばかりでしたでしょうか。
『田一枚植うゑて立たち去る柳かな』
西行と同じ場所にしばしたたずみ、柳の陰で休んだのでしょう。
時期は新暦では6月に入り、遊行柳の周囲でも田植えが始まって
居た風景を見ての一句でしょう。
東北への陸奥への入り口、白河の関はもう目と鼻の先です。