仏には桜の花をたてまつれ

2021/4/1(木)

4月になり新年度がスタートしました。

この時期の宗教的な行事で日本人がよく知っているのは、キリスト教のイースター(復活祭)と

仏教の花祭り(灌仏会(かんぶつえ)お釈迦様の生誕祭)でしょうか。




『仏には 桜の花を たてまつれ』


で始まる和歌があります。

西行法師の歌集「山家集」春の章に載せられた1首の上の句です。


イメージ的には、花祭りのことを詠ったのかと思いますが

下の句は


『わが後の世を 人とぶらはば』


高校時代の古文で習ったような感じがしていますが・・・

定かではないです^^;


この「わが後の世」の「わが」は西行自身です。


口語訳では


わたしの死後、来世を祈ってくれる人がいるなら、供養には桜の花を奉って欲しい。


前回紹介した

『願はくは 花のしたにて 春死なん

そのきさらぎの 望月の頃』

そして

『花に染む 心のいかで 残りけん

捨て果ててきと 思ふわが身に』

の3首がまとめて載せられており


世俗を捨ててもなお、桜は西行の心から

離れることがなかったのでしょう。


桜が満開を迎え、さらに仏教行事としての花祭り

が行われるこの時期、800年前の西行が生きた時代

に思いを馳せてみませんか。

この記事を書いたユーザー

不適切な内容を報告する