願はくは花のもとにて・・・
2021/3/30(火)
『願はくは花のもとにて春死なむ その如月の望月の頃』
西行がなくなる十数年前に詠んだ遺言のような歌です。
如月の望月とは2月15日のこと。釈迦の入滅の日です。
「願わくば釈迦の入滅の日である2月15日ごろ、
満開の桜の下で春逝きたい。」
という内容で、西行は実際には1日後の2月16日に亡くなります。
旧暦の2月ですので、新暦ですとちょうど今頃ということです。
今 関東以西では桜が満開を迎え、風が吹くと桜吹雪で
桜の花が散っていきます。
ただ、西行の生きていた時代にはソメイヨシノはまだありませんから
ヤマザクラということにはなると思います。
後世の多くの歌人たちが西行の作品をその人生とともに
敬慕してきました。
芭蕉もその一人なのです。