人参の本収穫に入りました

2025/11/28(金)


例年は間引くのがどうしても後手になりがちなのですが、「さすがに失敗から学ばねば…」と、間引いた葉っぱは(心を鬼にして)コンポストへ。

(時間があればジェノベーゼとかにしたいのだけど)

それでも大きめな根っこ🥕は斜め薄切りにして冷凍庫へ。


その冷凍したのを食べ終わったので、本収穫に入ることにしました。

収穫してみると、なんだか今年はとても素性が良いのです。



固定種の種を買ってきて、種採りすること5年?6年?が経ちました。

種採りを始めたばかりの年は、なぜか黄色っぽい人参が出てきたりして、「固定種のはずなのになぁ」と不思議ながらも、オレンジ色と黄色で彩りが増して、かえって嬉しかったりもしました。

一昨年から母本選抜をしたからか、より形質が安定してきたように感じられます。

(今のところ黄色が出てこない←少しだけ残念)


種採りすると、その野菜が「生きもの」なのだということを実感します。

地上部がほとんど枯れた晩冬。

地中に残る根っこから小さく葉っぱが芽生えて、どんどん背丈が増していく春。



レースフラワーのような花が満開になり、虫たち🐝が花にもぐっている初夏。

茶色く熟して種になる盛夏。



種を採った後の根っこは、まるで「長老」のようです。


生きて、次の世代に命をつなごうとする生き様は、いつも季節巡りと共にあるのですね。



農的暮らしの一日体験教室では、畑を歩いて観察しながら、その季節その季節の野菜たちを観察します。

初めて観る人参の花に、みなさんはとても感動されていました。


よく「人参に含まれるビタミンCは、◯◯の◯倍」という表記を見かけます。

畑をしていると、それが本当に意味をなさないことだと解ります。


その年の気候や旬、農法、土の状態、品種…様々な要因で味も成分も千差万別だからです。


畑で育つのは「生きもの」なのだと真に解れば、例えば「血液型がB型の人は、みんな同じ性格」とひと括りにできないのと同じことなのですから。


人参も、お米も、青大豆も、藍も、土が育むのは全て「生きもの」です。



人参を収穫する時のあの手ごたえは、まさに土から根を断つ実感です。


「あぁ、よく育ってくれたなぁ。」

「ちゃんと美味しく大切にお料理するね。」


その気持ちがあれば、義務感ではなく、嬉しさと喜びで台所に立てるのだと思います。


忙しさに時短が最優先になりがちな台所しごとですが、本来は「生きもの」が「食べもの」となり、私たちの身体になってもらうための「命の移し替え」。


いつも畑の土の上で、たくさんの生命力に教わります。




いただきます。

命をいただきます。

ごちそうさま。

ありがとう!


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