関節はバナナの皮よりも滑るのだそう
2024/10/29(火)
「滑」は「氵」に「骨」と書く。これは関節が水のようにサラサラ滑るということが由来だそう。ちなみにどのくらい滑るのか調べてみたら実際は、バナナの皮よりも滑るのだとか。(北里大学馬渕教授によるイグノーベル賞の発表がある。ご興味がある方は面白いので検索してみていただきたい)
関節の滑りが良くなるというのは、動きが悪くなると部品が錆びついてクレ556したらよく動く感じと似ているように思う。けれども、からだにクレ556するわけにいかないのでどうするかといえば、その一つの方法として、関節が本来動くべき位置、場所、方向というのがあって、その手続き、約束事を守ってからだを動かすことで、関節がバナナの皮よりも滑って動きが良くなってくるということだとイメージしていただくのが良いかもしれない。
逆にどうして動きが悪くなるのかと言えば、本来動くべき場所と違うところで動かしてしまうからということになる。
新講座「骨から整えるからだレッスン」では、からだのフレームとしての骨格を整え体幹ができた状態、関節を滑らせて動きを良くするためのコツを掴むために色々な動きをする。
先日は「光る君へ」がテーマになった。ドラマの中で天皇が衣装を広げて座る姿がなんとも美しいのだそう。参加した方の半数が毎週観てらっしゃっるりのことで大いに盛り上がり、その皆さんが再現して見せようとしてくれるのだけどうまくできないようで「本当はこうじゃないんですよ。もっとねー」と、互いに顔を見合わせていた。
試しに私もみなさんの動きからイメージして真似てみようと、からだの中心から手を大きく広げ(これはおそらく権力の象徴のあるお衣装を見せるように座るのだな)関節を滑らせるように滑らかにお尻を床につけ座り、そしてそこからすーっと滑らかに立ち上がってみる。どうもこれで良さそうだ。私にできたので、皆さんもやってみてと言おうと思ったら、もう座りはじめていた。できるようになりたいという意欲はすごい。しかし、まもなくお尻が床に到着しようとする際に、お尻がドスンとなって座ってしまう。立ち上がるときは、膝を立てるまではなんとかできるけどそこから立ち上がれない。ついには「やっぱり筋肉が足りないのよね」と言い出すので「違う違う、筋肉じゃなくてそこは体幹がですよ」あれだけ筋肉じゃなくて骨だというレッスンをしていてもこうなのだから、それほどに新しいものを自身の中に取り込むには少し時間がかかってしまうのだろうと思う。
「頭の位置がズレているからこれだと関節が滑りません」と、頭の位置はここだと指示を出し、修正してあと一歩のところまでできてきたよう。そりゃ今日一日のレッスンで仕上がらないけれども、確実に次回ものすごくスムーズにできるだろう。これを3回講座を終えた方の発表にするのもいいなと「光る君へ」をチェックしておこうと思う。
ちなみに筋肉主導で立ち上がってしまったら勢いがついてしまうので、天皇の優雅な動きにはほど遠くなってしまう。筋トレをしないでいいのが嬉しいはずなのに、私たちの頭には筋肉がないからできないという刷り込みがあるようだ。それでも今回、レッスンを初めて受けた方が「手を使わずに床から立つこと座ることがスムーズにできたらそれでいいと思うのです」と私がお話ししたことが印象的でご自身の未来が明るくなってきたとお話しくださった。
トレーニングをサボれば筋肉は裏切るけれども、骨格というフレームから姿勢を整えて出来上がった体幹を土台にして、関節を滑らせるように動かせばからだは裏切らないであろう。このメソッドをベースに「いつまでも自分の足で歩きたい」と願う人たちのサポートを続けていきたいと思っている。
○次回「骨から整えるからだのレッスン」は11月28日木曜日 13-17時
JR奈良駅最寄りの会場にて開催予定です。