からだは、骨から整える意識を持つ方が、私たちの感性にあっている
2024/10/1(火)
「骨から整えるからだのレッスン」なぜ、こんなわかりにくい名前になってしまったんだろうかと自分でもよくわからないのですが、そのまま書くとこうなりました。
骨と聞くと、一般的には「骨密度」とか「骨粗しょう症」「骨折」などの言葉が馴染みがあるようです。「骨格」も筋肉よりは、言葉としては身近にないようで、それはおそらくですが、もしかしたら目に見えないからなのではないかと思っています。
この講座を始めたのは、コロナ禍での健康相談で体力不安や健康不安などをお聞きし、これまでもずっと考えてきましたが「最期まで自分の足で歩く」にはどうすればいいのかということでした。そして長年お伝えしてきたことと、自身の経験や新しく学んだこととを踏まえ「筋肉が骨を支える」から「骨を整えて筋肉を動かす」に変えたことにあります。
当初から骨を基本に考えてきましたが、そのレッスンでは足りないことや、誰にでもできることではないという課題がありました。それは特に合氣道に出会ってから大きく変化したように思います。85歳の方が、立っている状態から手をついて前に回って、何事もなかったかのようにサラッと立ち上がるを普通にしているのを目の当たりにしました。重力に抗う筋肉は全くない。やっていることは重力を味方につける動きだったこと。
「コツを掴む」という言葉があるように「骨太」「骨がある」「骨を折る」など骨を使った言葉がたくさんあります。からだはもともと體（旧字）と書きましたが、戦後「体」となり、私たちはある意味で「骨抜き」になったのでしょう。
戦時中から、からだで意識されるのは見た目の大きさになり、体格や体力は国力とされてきたようです。日本の教育は「気を付け」をはじめ軍隊としての規律のようなものになっていて、またそれが良い姿勢だと指導されてきましたが、健康のための本来の姿勢とは程遠く、その刷り込みが、逆に猫背になったり腰痛になったりする人が増えてしまう原因にもなっていることは、あまり知られていません。これは、スポーツにも全く通用しない姿勢です。
本来、姿勢を整えると言うのは、骨の位置を整えるということです。これが骨格になります。骨格を整えることで、関節の動きが良くなり、内臓が本来の居場所に収まり（呼吸や内臓の働きが良くなります）ます。骨格が崩れると不調になるというわけなのです。
もし「體」が使われていたのなら、目に見えないけれども意識せざるを得ないのではないかと思います。体操は體操となって、全身にある206本の骨を操ることになるわけです。そうすると、ラジオ体操ひとつ最初の動きをとっても、骨の動きを把握して動きのコツを掴めば伸びたり縮んだりしたときの感覚が、これまでとまったく別物になります。
例を挙げると「ラジオ体操第一はじめ！」で前奏が流れて、一番最初の両手を上げるところ。骨の動きを意識する手続を経て、手を上げるだけで、肋骨の一本ずつの隙間がしっかり開いて、上がらなかった腕は無理なく耳の横にひっつき、お腹のたるみは伸びて、ぽっこりがどこへやらとなるのです。
體から骨がなくなり体となることで、目に見えない骨は忘れ去られ、目にみえる筋肉に意識がいくようになりました。筋肉トレをするとどうしてもパーツごとに鍛えるために、つながりを感じづらく切り離す感覚になりがちです。骨を意識してからだを動かせば、全身がつながって動く感覚がわかるようになってきます。そのことが、心とのつながりや、私たちと自然とのつながりの第一歩になるのではと思っています。
骨からからだを動かすことで、からだの酸欠を解消し滞りを改善します。具体的には、血の巡りが整って、脳の位置が地面に対して水平垂直になることで、自己肯定感や自己効力感をもたらすことがわかってきています。
今までと違うからだの感覚で動かすことや、目に見えない骨をどうやって動かすんだということで、イメージを書き換えるまではそれなりの難しさがありますが、もともとは私たちが持っていたものです。そうする方が、ラクで軽い、気持ちも軽くなるという、年齢とともに重くしんどいくなって扱いにくくなってきたからだに、これまでにない感覚が得られるはずですので、それを時間をかけて伝えていきたいと思っています。
【講師プロフィール】
みのわあい。デューク更家にウォーキングを学ぶ（講師歴２３年）2009年よりウォーキングと健康を楽しく伝える講演会「参加型健康エンターテインメント講演会」は参加者全国１０万人超の実績法人向け：健康経営・安全大会・新人研修プログラム提供CM：大正製薬リポビタンDXα 他
著書『骨盤革命 1日1分の骨盤スクワットで美姿勢になれる！』（自由国民社）日めくりカレンダー『見るだけでからだが変わる』 他からだことば研究会
▶︎開催日時 10/13(日)13-17時
▶︎場所 おがたま（奈良市鍋屋町３）近鉄奈良駅徒歩5分
▶︎詳細とお申し込みは、当方ページよりご確認くださいませ。