空中回廊から渋谷を考える

2024/10/24(木)

渋谷は東京を代表する観光スポットなのか、そうでもないのか。渋谷のスクランブル交差点の様子は、テレビでおなじみで、海外メディアも日本を代表する光景のような扱いです。一方で、渋谷の観光マップや案内する印刷物はなく、東京の観光公式ガイドブックの中でも渋谷の扱いはごくわずかです。日々変化しているので案内が難しいこともあるのでしょう。

その大きな変化が渋谷に立ち寄る人を減らしているのでしょうか。Bunkamuraの休館で遠方から渋谷に来ていた人たちが来なくなった、若い人たちが原宿や下北沢に移ってしまった、ということもあるのかもしれません。

コロナ前まではハロウィンが話題になっていましたが、今ではそれを歓迎するどころか、抑制したい意向の方が強くなっています。街全体がどんなにぎわいになればよいのかということ自体が見失われているようにも感じられるのです。

これから渋谷駅が利用しやすくなるまでの3年半の間、渋谷が話題になることはどんなものでしょうか? 人の流れが増えるようには考えにくいようです。しばらく様子をみようか、という事業者の判断もあるでしょう。渋谷は誰もが知っているようで、ほとんど誰もその全体像は知らないという街になっているようです。

でも、だからこそ今の渋谷は面白い!とはいえないでしょうか。いろいろな情報を集めてから実際に現地を見て、イメージとあっているかどうかの答え合わせができるような観光地ではないのです。ハチ公の銅像の前で記念撮影をするために並ぶインバウンドの観光客はいます。でも渋谷はそういうところではないでしょう。

多くの街歩きはその土地の歴史を学ぶもののようです。しかし、渋谷空中回廊をめぐる街歩きはその逆ともいえます。街がどのように変わっていくのか、そんなことを考える体験になればとの企画です。それは皆さんの住む街の将来を考えるヒントともなるはずなのです。



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