ロシアンクレープ(ブリヌィ)の話とレシピ
2023/2/1(水)
ロシア及び旧ソ連は国土が広く多民族国家なので、食べる物も人や地域によってさまざまです。但し、ロシア及び旧ソ連の中で、おそらくブリヌイほど愛されている食べ物はないでしょう。ごく普通のパンケーキなのですが、食べたことが無い人はいないと言っても過言ではないでしょうか。小麦粉やそば粉に卵、牛乳、ヨーグルト、砂糖、塩などを混ぜ合わせた生地にベーキングパウダーかイーストを加えて(イーストなら発酵させる時間が必要)、フライパンで薄く焼き上げたパンケーキ、あるいはクレープと言ったような食べ物です。
バターやサワークリームをのせてそのまま食したり、さらにその上にキャヴィアやイクラ、燻製にしたチョウザメやサーモンの切り身などを重ねて前菜として食することもあります。またデザートやおやつにはジャムやハチミツなどをたっぷりとかけ、ロシアンティーと一緒に楽しむのも素敵ですね。
ブリヌイは昔からロシアの人々の一生に深く関わってきました。誕生の時、産婦にブリヌイを食べさせ、そして死ぬ間際、追悼の時にも必ず振舞われてきました。いろいろな言い伝えや伝統に、ブリヌイを結びつけてきたのです。特にマスレニツァ(バター祭、謝肉祭)には必ずブリヌイをご馳走し、その他の祭日にも不可欠の食べ物なのです。スラブ民族の暦でマスレニツァは冬の終わりに行われる春を迎える儀式で、生き物の再生を祝う祭りとされています。行事では、冬を追い出すために藁人形を燃やします。
(写真はgoogleの自由検索から)
そして祭の中心となる食べ物がブリヌイであり、その丸い形から太陽にたとえられ、春に続く夏の到来を象徴しています。
では、ブリヌイの生地作りについて、少し説明しましょう。
まずは一番大事な生地に使う粉からです。ここでは一般的に手に入れやすい小麦粉(強力粉、薄力粉)を使用していますが、好みでライ麦粉やそば粉を混ぜて作るのも良いでしょう。少し黒ずんだ色合いになりますが、より歯ごたえがあり、ライ麦の持つほのかな酸味やそばの風味が実感できます。
ドライイーストを使う場合、扱い方は説明書をよく読んでください。直接混ぜて練りこんでいくタイプのもとと予備発酵を必要とするタイプのものもあります。
焼くときは、フッ素樹脂加工の施してあるフライパンかが便利です。生地がくっつきにくく、きれいな焼き色に仕上げてくれます。
レシピと作り方
・牛乳 500ml
・卵 3コ
・バター 10g
・小麦粉 200g
・砂糖 大さじ2
・塩 小さじ1/2
・サラダ油 大さじ2
・仕上げのバター 適量
・お好みの具
1. ボールに小麦粉、ベーキングパウダー、塩、砂糖、溶いた卵、牛乳を入れ、泡立て器でよく混ぜます。最後にサラダ油を加えてしっかりと混ぜ合わせます。
2. フライパンにバターを薄く塗り、生地をお玉半分くらい流し入れ、フライパンを傾きながら円を描くように広げます。表面が乾き、裏面に焼き色がついたらひっくり返し、さっと焼いて取り出し、バターを塗っておきます。
3. 同じように生地を焼き、焼けてバターを塗った生地の上に取り出し、皿にバターを塗って積み上げていきます。
ブリヌィにお好みで具をのせて包み、いただきます!
2月19日(日)にブリヌィを焼く体験を開催しますので、皆様のご参加をお待ちしています。
ご予約はこちらから
料理とおしゃべりが大好きなお母さんはお待ちしています。