説得力とアイデンティティーと好きな場所
2021/3/21(日)
では次に、説得力と場所の問題です。
京成立石は、私の職場付近だったわけでもなく
住んでいた場所でもありません。
職場は下町方面を転々としていたので、近くはありました。
職場のお茶菓子調達係として街をさまよい続け、目に入るものを追いかけていくうちに、喫茶店やパン屋などにも詳しくなってきました。
一方、自分が住んでいた場所と言えば、川崎と横浜です。
でもあまり、川崎と横浜をご案内しよう、という気にはならないです。
学校も職場もずっと都内なので、神奈川は寝に帰っていただけです。
それでもそれぞれ20〜30年は住んでいますから、そこそこ知ってはいます。
また、昔住んでいたとしても、
今はもう違う場所ですからね。
武蔵小杉なぞ、変貌著しくて
私の出る幕などありません。
駅から離れれば昔の面影も多少残りますが、
かえってそうしたモチーフは、下町の方が色濃く残っていたりするんですよね。
やっぱり何かグッとくるものを街に見出していないと、いくら地元であっても
披露する、という感覚にはならないです。
それに、そのあたりですと、ずっと魅力的な体験を開催されている方も
大勢いらっしゃいますし、それこそ何も自分がせんでも、って感じです。
そこが好きで、どうしても住みたい、ということで住んだのなら
それもあるでしょうが、
私の場合、公団の建て替えでやむなく次の場所へと移動させられていますので
ただの寄る辺ない民なんですよね。
「お前はどこの人間だ」
と問われれば、神奈川県民ということになりますが
学校が都内だから、遊んでいたのも都内、生まれも都内で
アイデンティティーがあやふやです。
もともと母は生まれも育ちも下町なので
神奈川が眼中にないし、なにかあれば都内で用を済ませます。
せっかく神奈川には海があるのに、都民にとって海といえば千葉だから、
わざわざ外房に出かけていくわけです。
もともと根無し草ですから、つながりと言えば
やっぱり、その街が好きかどうか。
そこにグッとくるものがあるかどうか。
ですよね。
伝え方には工夫が必要だとは思いますが。
というわけで、なんとかうまく伝える術を学ぶため、ある方の体験に参加させていただきました。
次回はそれを書きたいと思います。