今年も鮭が獲れない!豊洲・築地の市場で聞こえてくる、ちょっと心配な話

2026/10/31(土)

お正月のイクラ、今年は早めに買っておいた方がいいかもしれません。

こんにちは。市場に通い続けて22年の経堂 賢です。

普段は豊洲市場や築地場外市場を中心に、市場見学や食べ歩きの体験をご案内しています。

市場に通っていると、ニュースになる前から、魚の値段や入荷状況についていろいろな話が耳に入ってきます。

今回は、そんな市場で聞いた「鮭」のお話です。

今年も鮭が獲れない!

そんなニュース、最近聞きませんか?

実は今年、かなり深刻な状況になっています。

北海道の秋鮭の漁獲数は、10月20日時点で約252万匹。前年の同じ時期より46%も減っているそうです。

昨年も記録的な不漁だったのに、今年はさらに少ない。

しかも、秋鮭漁の最盛期はすでに過ぎています。

このままでは、今年の漁獲量は昨年をさらに下回る可能性が高そうです。

仲卸さんや商店の人に聞いてみると……

市場に通っていると、当然、鮭を扱う仲卸さんや商店の方とも話をします。

今年の状況を聞いてみると、

「今年も不漁だね」

「まだ必要な量を確保できていない」

「値段を上げざるを得ない」

そんな話が出てきます。

ここ数年、上がり続けている鮭の値段。

今年もまた上がってしまうかもしれません。

市場の人たちが困るのは、単に値段が高いということだけではありません。

そもそも、売るための鮭が確保できない。

これが厄介なんですね。

でも、スーパーでは鮭が100円で売っているよ?

そう思う方もいるかもしれません。

実は、ここにちょっとした違いがあります。

スーパーで売られている鮭やサーモンには、チリなど南米で養殖されたものや、海外で漁獲されたものも多くあります。

今回、獲れないと話題になっているのは、主に日本の川に戻ってくる天然の秋鮭です。

秋鮭は、日本の川で生まれ、海に出て成長し、数年後に故郷の川へ戻ってきます。

その途中、北海道や東北の沿岸で漁獲されるわけです。

昔から、北海道や東北をはじめとする地域の食卓を支えてきた魚でもあります。

塩鮭、鮭のちゃんちゃん焼き、石狩鍋、新巻鮭。

そして、忘れてはいけないのが筋子とイクラ。

日本の食文化に深く根付いている魚なんですね。

ところが、その秋鮭が日本の沿岸に戻ってこなくなっている。

海水温の上昇や、稚魚が育つ環境の変化などが原因として指摘されています。

単なる一時的な不漁では済まないかもしれません。

そして、もっと大変なのがイクラ屋さん

鮭が獲れないということは、当然、その卵も手に入りにくくなります。

築地などでイクラを扱う専門店の方に聞いても、なかなか厳しい状況のようです。

取引先に納める分を確保するだけでも精いっぱいかもしれない。

そんな話も聞きます。

現在も、いろいろなところに声をかけて、商品を探しているそうです。

お店に商品が並んでいるからといって、十分な在庫があるとは限らないんですね。

そして価格。

豊洲市場などで見かける生筋子は、1kgで2万円を超えるような値段になっています。

もう超高級品です!

しかも、報道によると、北海道では10月中旬ごろまでの生筋子の卸値が1kg当たり3万〜4万円弱にまで上がった例もあるそうです。

これではイクラを作るお店も大変です。

仕入れた商品をそのまま高く売ればよい、というわけにもいきません。

お客さんが買える価格との兼ね合いもあります。

市場で商売する人たちにとっては、頭の痛い問題です。

お正月のイクラ、どうしましょう?

さて、ここからは私たちの食卓の話。

お正月にイクラを食べるご家庭も多いと思います。

今年は国産イクラの価格がかなり高くなっています。

これから年末に向けて需要が増えることも考えると、さらに値上がりする可能性もあります。

もちろん、今後の入荷状況によって価格が落ち着く可能性もありますから、必ず値上がりするとは言い切れません。

ただ、毎年お正月にイクラを買うという方は、今年は早めに購入して冷凍保存することも検討してみてはいかがでしょうか。

購入するときは冷凍可能な商品か確認し、保存方法や賞味期限はお店の案内に従ってくださいね。

市場に行くと、魚の向こう側が見えてくる

市場の面白さは、魚がたくさん並んでいることだけではありません。

なぜ今年はこの魚が高いのか。

なぜ、いつもある魚が今日はないのか。

なぜ、外国産の魚が増えているのか。

そんなことを仲卸さんや商店の方に聞いていると、日本の食卓が世界の海や流通とつながっていることが見えてきます。

そして、同じ市場でも、季節によって、年によって、並んでいる魚も話題も変わります。

豊洲市場や築地場外市場を歩くとき、魚の値札をちょっと気にしてみてください。

そこには、今の日本の海の様子が映っているかもしれません。

私の市場体験でも、単に魚を見たり、おいしいものを食べたりするだけではなく、こうした市場の裏側や、魚を扱う人たちの話を生で聞いたり、お伝えしています。

市場は、知れば知るほど面白い場所ですよ。

豊洲市場・築地場外市場を中心に、市場見学、食文化体験、食べ歩きなどをご案内しています。

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