上野にエゴン・シーレ展を見に行く

2023/2/10(金)

先日、上野で「エゴン・シーレ展」を見てきました。

ウイーンやチェコを旅した時に見ていたので

行かなくてもいいかなと思っていたのですが・・


「須賀敦子輪読」やNHKの「美術館へ行きませんか」を聴いていたら、

やっぱり、行っておこう・・と気持ちが変化しました。


東京都美術館に入るのがすごーく久しぶりでした。

レトロ感満載の建物や照明も興味深かったです。

ただし、展示室の照明はもう少し工夫がほしいと思いました。


スペイン風邪で妻が亡くなり、その三日後に亡くなってしまったエゴン・シーレ。

その半年前には師であるクリムトも亡くなっています。

100年と少し前、コロナ禍にあった今と同じように

スペイン風邪が猛威を振るっていたのですね。

エゴン・シーレは28歳という若さで亡くなってしまいました。


展示は自画像が多かったのですが

現在のチェスキー・クルムロフを描いた作品もありました。


私が最初に彼の作品を見たのは

チェスキー・クルムロフのエゴン・シーレ美術館(アートセンター)でした。

個性的な自画像、そして、本人の等身大の写真が印象的でした。


以前はビール醸造所だった建物で見ているうちに

身体が冷えきってしまったことを記憶しています。


友人と冷えてしまったねえ・・といいながら

目の前にあるカフェに入り

あたたかいものを飲みました。

そのショコラのおいしかったこと。


カフェにいる人たちのチェコ語の会話が聞こえてきて

「ああ、チェコにいるんだねえ」と

音楽と空気と言葉に気持ちよく揺らいだことを記憶しています。

たゆたうは、ゆらゆら揺れるですが

気持ちよくゆらゆらしたことを覚えています。


クルムロフには4回行き多くの風景の記憶があるのですが

この木の記憶も忘れられない一つです。

今回、《吹き荒れる風の中の秋の木(冬の木)》を見て

もしかしたら、こんな木が100年前にもあり

エゴン・シーレも目にしたのかなあと思いました。


《モルダウ河畔のクルマウ》は

クルムロフの街の一つの風景です。


エゴン・シーレが住んでみたいと思った街ですが

作品が、100年前には卑猥と思われ

住み続けることができなかったようです。


チェスキー・クルムロフは、いったん、忘れ去られた街。

そして、この30年の間に

旅する人が一度は訪れたいかわいらしい街になりました。


レオポルド美術館が2001年に開館して

エゴン・シーレの絵画もこの20年間に人気になったようですね。


日本でも、エゴン・シーレは

若い世代に大人気なのですね。

展覧会ではシーレのように、かっこいい若い人がいっぱいでした。

黒く長いコートを着て絵をじっと見ている

彼らもとても魅力的でした。

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