釣った魚をおいしく安全に食べるためには「真水」が鍵!
2022/9/30(金)
メディアの情報をみているとアニサキスによる食中毒が話題になりますね!
サバ・カツオ・マグロ・サワラ・タラ・サケ・スルメイカなどは特にアニサキスの寄生が多い魚介類です。
本体験でよく狙うのはアジなのですが、アジの場合はアニサキスの寄生が少ない印象です。
むしろアジ釣りで気を付けた方がよいのは、腸炎ビブリオです。
どこの海でも海水中には腸炎ビブリオ菌が広く生息しているのですが、高水温期(6~9月頃)は特に腸炎ビブリオが増えやすいシーズンです
シイラだけじゃない!?夏に多く発生する「腸炎ビブリオ」の特徴・症状・予防法を解説
いわゆる魚で「当たる」のは、アニサキスよりこの腸炎ビブリオのほうが多い印象です。
ほかにサバやカツオなどは取り扱いによりヒスタミン中毒もあるのですが、アジでは可能性が低く、腸炎ビブリオのほうが身近です。
魚の体表・ヒレ・エラなどについた腸炎ビブリオ菌は好塩菌で、海水が付いている状態で、気温(水温)が高いと急速に細胞分裂し食中毒の原因になります。
腸炎ビブリオ対策では以下のようなポイントがあります。
・うろこ、頭部、血合い、エラ、内臓などをきれいに取り除いたあとに、まとまった量の流水でしっかり全体を洗い流す
・魚をさわりすぎて温度を上げない
・持ち帰る際にたっぷりとした氷で保冷して持ち帰る
▼下処理は鱗やぬめり(特にサバ・ヒラメ・マゴチなど)をしっかり落とした後に真水でしっかり洗い流そう!
本体験では、釣りのあとにこの工程をご一緒しながらしっかり学んでいただいています。
そのうえで、食味を保つため、魚のさばき方を一緒にやっているわけです。
丸のまま持ち帰りたいというニーズについても、もちろん大丈夫です。
その場合は、できるだけ早く(できれば当日)、しっかり下処理をする必要があると覚えておいてください。
堤防釣りで釣った魚をぬるい海水がたまったバケツに入れっぱなしにしている釣り人はかなりいます。
そして、保冷が不十分なまま持ち帰って食べたり。
他に堤防や船上での不十分な下処理をして満足してしまい、全体を真水で洗い流す工程がなく、食べるまでに腸炎ビブリオ菌がどんどん増えてしまうことはよくあります。
よくTVでは、船上で魚を下処理し、リポーターが「獲れたては、新鮮でおいしいですね!!」というような感想をいう場面がありますね。
視聴者からみてもわかりやすいのですが、実はあれは危険ですし、うまみという点からも疑問です。
漁師は慣れているので海水で処理して食べますが、体質的に慣れていない一般の人が海水で全体を洗った魚の刺身などを食べるのはリスクです。
船上では、手指・包丁・まな板を清潔に保つことが難しいわけです。
もし、堤防や船上で下処理をする場合、清潔な真水をタンクなどで大量に準備しておくのがおすすめです。
そして、下処理後に、全体をくまなく真水で洗い流してから保冷しましょう。
釣るのも、食べるのも、学ぶことがいろいろありますね!