金継ぎの素晴らしさ 「これは凄すぎる日本の技術!」

2022/5/23(月)

金継ぎという言葉は昔から聞いているし


陶器が欠けたり割れたりする度に金継ぎという名を思い浮かべていた


ある時にお気に入りの陶器が立て続けに2つ割れた時に


「これは今度こそ金継ぎするしかない」と思い


やり方もわからないので知人などに聞き、知り合いの金継ぎ教室へ通うことになった


その時と同時に金継ぎキットも購入したが


本格的なものを学ぶこと、変な先入観を入れないことと思い

動画なども何も知識を入れずに教室へ通った。


割れたものを持って行ってそこで2時間作業


そこにいる生徒さん皆さん約10名


始めた時間も違うのでバラバラ。。


何を学ぶわけでもなくただただ言われたことをやる。。


先生は十人の生徒さんを掛け持ちみんながやることが違うのでその生徒に合わせて行動するがとにかく忙しそうだ。


そして質問もしにくい、イライラしてるし、生徒に八つ当たりもしたりしている。。


とにかく教室の空気はよくないのが分かった。


職人あるあるだけどもそれ以上に効率の悪さが目立ち教える先生も大変、生徒さんはよくわからない、

どちらもWINWINになっていない状況だった。


お気に入りの茶碗を持って行って次回は1ヶ月後。。

これは一体いつ出来上がるのだろうか。。


このペースで行くと半年先。そして欠け具合、金使用量で料金が格段に違ってくるようだった。


時間もかかりしかも料金が後から加算される、教室の空気も悪く昭和人間の生徒さんのように言われたことを「はい、はい」聞くような教室に


「今だにこんな教室があるのか。。」と驚いた。


そこにいる生徒さんは昭和の教え方に耐えられる高齢の方が多く、また若い方でも真面目なタイプの人が多かった。


よく職人さん主催の竹細工教室に通っている生徒さんも僕の竹細工教室に来るがその生徒さんの意味がよ〜くわかった。


これは学べない。。その生徒さんも2年竹細工教室に通い、教材費は最初は5000円くらいでだんだん値段が上がり今は数万円!


「もう一度同じものを作りたい」と言っても作らせてもらえずにどんどん次へと進んでいく。2年やっていても僕が教えているような竹切り、ヒゴ作り、舵の取り方、編み方の立ち上げなどはわからない。ましてや机の上で作業するような竹細工ばかりで僕のように体を使って一つの籠を編むような作業は全くの別物だ。竹からこの作品になるまでの工程が知らない。。ある意味、僕が興味を持ったのはその竹から籠に変わる工程のところでそれを教室にしたら反響がすごかっただけ。


そしてこの金継ぎも一緒で

何も知らない初心者に漆を使わせ、筆でかかせ、高級な金を使わせて最初から良い作品ができるはずがないと思った。


1ヶ月待ちきれないので預けてしまっている陶器以外に色々探してみて現代風の金継ぎキットで動画を見ながら初めてみた。。


「これは筆だ。。」


そう感じだ。

筆の技術がないとうまく行かない。これは全て筆次第だ。。。


そして面白いことに直した陶器は一段とレベルが上がっているのがわかる。


金継ぎというものは高級な茶碗を職人さんに直してもらう技術で


何十万、何百万の価値のものを数万円、数十万円かけて京都の金継ぎ師に直してもらうと知人のお茶の先生が話していた。


でも愛着が大切であって数百円で購入したものでもその人にとっては値段には変えられない宝物なのは違いない。


ヨーロッパに行った時から使っている僕の陶器の一つは世界中の国を歩き日本に帰国して15年ほど経つ


そして今でも毎日使っている


15年間使っている陶器はもう何ものにも変えられない。。

でも自然と欠けてしまったりする。


でもその金継ぎの技術で生き返った。。


そして大富豪の家で生まれ高級な茶器をたくさん所有し本物の金継ぎも知っている茶道のおばさんが


「これいいわね!私にも教えて。。」となった。。



「これは現代風の金継ぎであって本物ではないです。でも僕はすごく気にいっている」と話すと


「私も何十年も今でも毎日使っているパンのお皿とコーヒーカップがあるの。それが昔割れて陶器用の接着剤でくっつけて今でも使っているの。

とてもじゃないけども人に見せられるような修理ではない。。恥ずかしいけども。。でもそれが好きだから今でも毎朝愛用している」


「それではそれやってみましょう!きっといい感じになりますよ!」


茶道のおばちゃんの家へ行き金継ぎを教える。。


すると「これって良い感じじゃない?見て!」とおばちゃんが自分で金継ぎをやったお皿に感激していた。


するとおばあちゃんが次から次へとどんどん陶器を持ってくる。。


「ちょっと!コーヒーカップとお皿の二つじゃないんですか?笑」


「いいじゃない!午後もやるわよ!」とおばちゃんが言う。。


「やりません!」っと僕!


「漆と金と筆を置いていくので自分でやってください。。」




全国の世界中のいいものを知り尽くしていて、本物の金継ぎを持っているおばあちゃんでさえ、この金継ぎで満足しているのだから



これで十分なのだろう。。



すぐにできる、そして簡単、早い、安いのいいことばかりだ。。


この技術は日本人全員が知ってもおかしくないと思う。。



そしてここからが驚きの連続だ。。


金継ぎをして生まれ変わった陶器は面白いことに扱い方が変わる。



以前は使い、洗い、食器乾かしに置くのだが


今は洗ったらすぐに拭いて片付ける。。


確実に品格が上がっている。。




この感覚は金継ぎをした人にしかわからないだろう。。




欠けた陶器は品格が下がっていく一方だがこの一手間で一瞬に元に戻るどころかレベルが上がってしまうのだ。。



日本人は本当にすごい。。


凄すぎる。。。


カッコ良すぎる。。。




時間ほど大切なものはない。。


新しく買った陶器にはないものが使っているものにはある


割れたから捨てるのではなくよりいいものに生まれ変える


無駄にもならない。。



自分だけのお気に入りのもの。。

それだけで十分だと思います




できるだけ多くの人にこの金継ぎが伝われば嬉しく思います。。


























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