東北へ山菜採りへ行く理由 「干しゼンマイ作り」

2022/5/4(水)

きっと東北の森の中で干しゼンマイを作っている人は空から覗いても僕ぐらいではないだろうか。。


まず干しゼンマイを作る人が今はものすごく減ってきている


干しゼンマイを仕事にしている人は自宅に持って帰りそこで作業をしたりするだろうけども


昔のように本格的にゼンマイだけで1年分の収入を得ようという人は


ゼンマイ小屋というところで2週間くらい山奥で暮らす。


今でもいるかはわからないが熊さんやその仲間(大抵二人〜三人)とそのゼンマイ小屋に寝泊まりして過ごす。


熊さんはゼンマイ小屋には寝ないがゼンマイ小屋があるようなところはかなりの山奥のようで


2週間分の食料を持ってそこに居座る。


その2週間で数百万円ほどを稼ぎだすくらいだからすごい。


そしてその作る量も半端ない。


ゼンマイは生で大量に持ち運びするとさすがに重い。


だからその現地にゼンマイ小屋を作りその場で干しゼンマイにして軽くして持ち帰ってくるのだ。


乾燥させると1/10以上になる。ゼンマイ小屋から運び出される乾燥ゼンマイは100kg近いという。何トンというレベルの生ゼンマイの量を収穫していることになる。


そんな干しゼンマイの作り方はかなり手間がかかる。


収穫して外に干しておけば良いというものではない。


収穫したゼンマイをまずその日のうちに茹でなくてはならない。


ゼンマイ小屋の近くは沢が流れているはずだ。


そして茹でたゼンマイをゴザの上で広げる。そして定期的にゼンマイを揉まなくてはならない。


揉む理由は揉むとゼンマイから水分がどんどん出てくる。あと真っ直ぐな乾燥ゼンマイにするよりも揉んで丸めてくしゃくしゃになった方が運びやすく扱いやすく折れにくいという知恵が詰まっている。


周りの人から見ると「よくやるよね。。。」と言われるが僕自身楽しみの一つ。


干しゼンマイは保存食になるので寒い時期に野菜が採れない雪国東北地方での必需品になる。


今でも干しゼンマイは100gで1500円という高級な値段で売られているが買う人の多くは地元の人で観光客ではない。


それだけ高くても地元のおばあちゃんは欲しいものなのだ。


そして僕の育った地域はゼンマイ文化などはないけども山菜と一緒に暮らしているうちにゼンマイの魅力にハマり、そしてその美味しさは何にも変えられないものだと思う。


Simple is the best


この言葉が好きだけどもゼンマイはそれにぴったり


料理などでもゼンマイの煮付けは真ん中に置かれるようなものではなくサイドメニュー。


でも国産の立派なゼンマイで煮付けられたゼンマイ料理は本当に美味しい。


最後の晩餐にはゼンマイ煮付けも僕にはラインナップされている。


そのくらい魅力たっぷりのゼンマイの煮付け。


これはスーパーなどのお惣菜で買うものではなく手作りが必要で


料理には愛を込められるというが


ゼンマイはその愛が十分に吸収できる植物なのではないかと思う。


だからゼンマイはお袋の味が有名であり家庭料理が一般的。


山菜アイコが旨味成分を吸収できる植物のようにゼンマイは愛情を吸収できるものなのではないかと個人的には思っている。


今現代まで田舎の地域では愛されているゼンマイ。。


でも日本人の99%以上はそれを食べたことがないと思う


ゼンマイはナムル? ビビンバにのってる!


そんなレベルの話ではない。



だから「昔おばあちゃんが作ってくれていた。。」


っという家庭は忘れられない味になっている人たちも多いと思う。


ゼンマイの魅力を伝えられたら嬉しく思います。





細いゼンマイから太いゼンマイと分ける 茹で時間が変わるため


僕が1年に作るゼンマイはこの量の倍くらい


1年に10回食べれるかな?くらいの量なので大切に頂きます。




茹でかたもある。茹ですぎてもいけないし硬すぎもいけない。


そしてゼンマイには綿がついているのでそれを取り除く作業も必要。

大変だ。。



1日目乾燥 乾燥してくると黒くなってくる 天気の良い3日間を選ぶ


この日は定期的に揉む!2時間に1回くらい




2日目 かなり乾いて来る もう1日干しておけば完成!








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