シダってつまらない植物?

2022/4/23(土)

シダってジュラシックパークの恐竜の背景の木々? 日本庭園の植栽? 花が咲かない。地味。どれも同じような感じ。なんだかあまりよい話を聞かないのです。でも多分それはよく見たことがないからかもしれません。

多くのシダの地上部分(見える部分)はほとんど葉だけです。そのシダの新しい葉は硬く丸まっていることが多いのです。幼い葉が直接に外のきびしい環境に触れないで済みます。シダの巻いた葉は英語ではfiddlehead 、「バイオリンの頭の部分」と言う意味。でもこのイワデンダの新葉はすこしずつほどけている最中。まるでお化けのよう。それとも恐竜みたい?


付け加えると、シダの葉のことはリーフではなくフロンドfrondと呼ぶことがあります。ヤシの葉もそうです。両方とも似ているといえば似ていますね。↓ 下はイワデンダの開いた葉。もう「バイオリンの頭」ではなく「羽」のようです。

春を感じてか、シイタケも出ている! 昨年植え付けたので、出るのが当たり前と言えば当たり前なのですが。キノコはカビと同じ仲間。植物ではありませんが、私たちにとっては野菜のようなもの。有難い食料です。春はうれしいですね。

コケは初期の陸上植物の基本的構造を維持している植物群。要するに古いのです。シダのようには水を吸い上げる構造も発達させていません。地に這いつくばっています。とはいえ、ひっそり生きているようで逞しいし、生態系の重要な一員です。ふと見るとタマゴケapple mossがつやつやした球体(胞子体)をたくさんつけていました。


コケやシダと一口で言っても、その生育環境は種によってかなり違います。似たような環境を好むシダやコケを見つけて一緒に育ててみるのも面白いです。例えば下の写真の walking fern と tree moss。前者は岩上生のシダ、後者は林床に生えるコケですが、ガラス瓶のふたを閉めた状態で仲良く暮らしています。私は1,2週間、彼らを放ったまま出かけてしまうことがあります。


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