夢中が集まるプラットフォーム「aini」では、日本全国でさまざまな体験を提供するホストが集まっています。
この連載「コラボ企画インタビュー」では、その中でも企業や団体のホストのみなさんが体験を開催するまでの経緯や実施した内容、企画に込めた想いをお伝えします。
今回ご紹介するのは、中国電力とのコラボ企画について。中国電力でサービスのPRを担当している原彩子さんと次世代を担う子どもたちが電気やエネルギーについて楽しく学べる授業を行っている高井裕貴さん(タカさん)、重光郁徳さん(ミッツさん)。中国電力との企画を担当しているainiの髙藤将史さんにお話をお聞きしました。
目次
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中国地方の魅力を伝える
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参加者が笑って楽しめる体験づくり
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ainiの体験が持つ可能性
原:ainiさんと一緒に企画を始めたのは2019年11月からです。中国地方に根ざした事業を行っている私たちがainiさんとの取り組みを通して地域の魅力を伝えられたらと思い、提携させていただくことが決まりました。
──最初はどんな企画を行ったのですか?
原:はじめは、中国地方での体験をつくるホストの発掘や魅力的な体験づくりのサポートとしてワークショップを開催していました。最近は新型コロナウイルス感染症の影響により開催できていませんが、これまでに10回以上を数えます。ワークショップに参加いただいた方が、実際にホストとして体験を企画された事例もありますね。
また、当社の電気をご利用いただいているお客さまにアンケートを取り、「こんな体験があったら参加してみたい」という声を集め、地域内でのニーズ調査も行いました。ニーズを集めたアンケートの集計結果は当社のホームページにも掲載しています。
──中国電力がホストになった体験も開催されていますね。
原:はい、4月に開催した「発電所の内側も見れちゃう!?クイズや実験で楽しく知ろう電気のこと」は私たち自身がホストとなって初めて行った体験になります。
ainiさんから「日本各地の魅力に会いに行こう~中国地方編~」というイベントにお声がけいただいて企画した体験です。
ミッツ:体験の内容としては、普段当たり前に使っている電気やエネルギーについて、楽しく興味を持ってもらいつつ、私たちが愛する中国地方の魅力が伝わるように意識しました。
地域特有の電力設備や復旧訓練に関するあまり知られていない情報、各地の特産品や観光名所、豆知識などを紹介しました。ただ説明するだけでなく、発電所と中継を繋いで設備や液体窒素を使った冷熱実験を見てもらったり、クイズや効果音も交えながら、子どもたちが楽しく参加していただけるように工夫しました。
タカ:私たちは普段から、中国地方の学校にお伺いして、身のまわりの電気やエネルギーについて楽しく学んでいただく出前授業を行っているのですが、今回のように地域の魅力にスポットを当てた企画は初めての経験でした。どんな体験を提供できるといいか、不安なところもあったのですが、ainiさんからアドバイスをいただきながら、いい体験をつくることができたなと思っています。
ミッツが話すように、参加者に楽しく参加いただけるような企画になりましたね。
髙藤:やはりみなさん出前授業をされてきた経験もあって、人前で話すプロだなというのをすごく感じました。体験の時に使われたスライドは、ラフの段階で90ページ以上作成されていて「すごいですね」とこちらから伝えたら、タカさんとミッツさんは「これが当たり前です」って。これだけ体験づくりに熱心に取り組んでいただけたことがとても嬉しかったですし、中国電力さんと一緒に体験が開催できて本当によかったなと改めて感じました。
ミッツ:今回の体験は僕とタカで企画と当日の運営を担当したのですが、ふたりともこの仕事がすごく好きなんですよ(笑)。参加者の人数が多ければ多いほど、どうやって笑顔を引き出そうかと燃えてくるんですよね。
参加者が笑って楽しめる体験づくり
──参加者の反応はどうでしたか?
タカ:当日は子どもたちを中心に30組の参加者が集まりました。遠くはアメリカからも参加してくれた子がいましたね。イベント中、参加者はミュートになっているので声は聞こえなかったのですが、画面に映っている表情から楽しんでいる様子が見えたので、喜んでもらえたんじゃないかと思っています。
チャットやリアクション機能を活用して、質問や感想を送ってくれる子どもたちも多く、オンラインでも参加者とコミュニケーションを取りながら楽しんでもらえるんだという新しい発見もありました。
ミッツ:イベントを企画する時はいつも、参加してくれる子どもたちに笑ってもらうことを意識しているので、説明用のスライドにはオチや笑いのポイントを入れるようにしているんです。こちらが意図しているところで子どもたちが喜んでいるのが伝わってきたので、すごく楽しみながら運営することができました。
何より一番嬉しかったのは、体験が終わった後に「今までの体験で一番おもしろかった」と感想をいただいたことです。そんなこと言われると、泣いちゃいますよ。子どもたちの笑顔を見て、上司もうるっときていました(笑)。本当に今回の体験をやってよかったなと思っています。
髙藤:学習系の体験は、参加者の集中力が切れてしまうことがよくあるのですが、今回はタカさんとミッツさんの楽しい説明もあって、参加者の集中が続いていたのがすごく印象的でした。中継をして火力発電所の中を見学する時間もあって、普段訪れることができない場所を見れる体験もすごく反応がよかったですね。貴重な体験を求めている参加者が多いんだなと感じました。
──社内での反応はどうですか?
ミッツ:体験の様子を見た社員からは「すごくよかったね」と声をかけられました。今回使用したスライドやイベントの構成を、社内の他の部署でも真似してみようとする動きもあるんじゃないかと思います。
タカ:今回の体験を通して、本当にいろんなノウハウを得ることができました。そのノウハウを社内に共有することで、展開していければいいなと思います。体験づくりだけでなく、出前授業などの教育活動にも活かすことができる経験になりました。
ainiの体験が持つ可能性
──ainiとの体験づくりで感じたことはありますか?
原:どんなこともテーマになって、誰でも体験をつくることができるのがainiさんの魅力だと感じています。体験を提供するというとハードルが高いイメージがありますが、小さな種が参加者の心に残る体験になることをすごく実感しているので、ぜひ多くの方に試していただけたらいいなと思います。
ミッツ:会員数が15万人以上いて、その人数に対して地域や企業のPRができるプラットフォームとしての役割も魅力だなと思います。私たちの企画でも、全国各地、海外から参加してくれた人がいたので、改めてそれだけの人たちにアプローチができるのはすごいなと思いましたね。
髙藤:そういっていただけるのはすごくありがたいです。企業がホストを務める体験では、社員の方にフォーカスが当たって、企業と参加者が顔の見える関係性になっていくのもとてもおもしろいです。体験づくりを通して、企業の方が自分の仕事に自信を持てたり、やりがいを持てたりするような機会ができていくといいなと思います。
また、参加者に子どもが多い体験では、子どもたちに「仕事って面白い」と思ってもらえるといいなと思うので、中国電力さんの体験はまさにそういった意味でもとても価値がある企画になりましたね。
──楽しそうに仕事をしている大人に出会える体験はとてもいいですね。様々な人に企業の活動を知ってもらえる機会にもなりそうです。
タカ:子どもたちが色々な仕事を知ったり、働く大人の姿を見ることができる良い機会になるでしょうし、地域や企業のPRなど様々な波及効果があるんじゃないかと思っています。
──これからのainiとの企画について、考えていることはありますか?
原:中国地方でのホスト発掘や体験づくりのサポートにも改めて注力していきたいと思っています。これまで中国地方の方々と築いてきたつながりを大切にしながら、地域を盛り上げる取り組みに貢献していきたいです。
実際に中国地方を訪れ、リアルな体験に参加していただき、「地域の魅力」「人の魅力」を感じていただけると嬉しいです。中国地方以外に住んでいる方だけでなく、現在中国地方に住んでいる方にも、ぜひ体験に参加していただき、中国地方の魅力を再発見してもらえるといいなと思います。
タカ:中国電力は今年創立71年目。それだけ長い期間、中国地方とともに発展してきた企業なので、地域の発展に貢献したいという気持ちがすごく大きいです。そのためにも、ainiというプラットフォームがもっと広がっていくといいですね。
まとめ
様々な工夫を施しながら、参加者が笑って楽しめる体験を企画した中国電力。そのみなさんが体験づくりのノウハウを伝えながら、地域の人たちとともに「地域の魅力」、「人の魅力」を伝える取り組みを広げていく、これからがとても楽しみになるインタビューでした。