ハグ初体験の感想は?

2021/1/8(金)

こんにちは!


ほっこりする映画を見た「はじまりのうた」(Begin Again)と言う2013年のアメリカ映画。ビートルズ伝説のルーフトップ・コンサートみたいに、NYCの街角でライブレコーディングを敢行するヒューマン・ドラマだ。劇中の曲がとにかく心地良い。


気になったのはハグ・シーン。コロナ大丈夫なのか?と7年も前の映画と現在を混同する。ハグ繋がりで、久々、私のおもしろ米国生活体験記「ハグ初体験の感想は?」をお届けする。


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ハグって慣れてますか?


突如、アメリカに放り込まれた日本人男性(私)の哀れで滑稽な物語だ。

何の前触れもなく、日本の会社から、アメリカ人経営の会社に出向になったのは10年も前のこと。上司が、七三分けバーコードのおじさんから、金髪・ド迫力の白人女性に変わった。


その彼女(ボス)と彼女の部下達との各地域への視察ツアーがある。初参加の時は、心細くて恐怖でしかなかった。

カリフォルニアから、シンガポール、クアランプール(KL)を訪問した。まだ慣れないアメリカ生活。アメリ人同僚にもいまいち溶け込めてない私は、この出張を利用して、連夜のディナーで関係構築に全力投球していた。

お陰で、ダークなビールが好きなファニーな日本人という微妙なポジションを築きつつあった。


シンガポール空港からKLに移動する際、一部のAPAC(アジア・パシフィック)のメンバーとはお別れになる。空港で、搭乗前、ボスが、一人ずつハグで、お別れの儀式をする。我々は、まだ、彼女と一緒にKLに向かうのだが、気分が良いのか、ボスは全員とハグをしたいようだった。

ひとり、また、ひとりとスマートにハグをこなすアメリカ人同僚。いよいよ、私の番が来る。外国人女性とのハグは初体験だ。ドキドキする。男同士の握手では、ギュッと握らないと気持ち悪がられるがハグはどうなんだ?!がっつり行くのか!?


私の前にボスが立つ。ボスの両腕が広がり私に向かってくる。緊張の瞬間。意味不明にも目をつぶる私。さあ、接触という瞬間、パチンと私の両頬に軽い痛みが走る。「あんたは、お預けよ」とボスがイタズラそうに笑う。

そう、この出張ですっかり、イジられキャラのポジションも獲得していたのだった。ハグに慣れない私の姿を見て、ハグすると見せかけ、両手で両頬を軽く叩いたようだった。私のハグ初体験のチャンスはあっさり消えた。


失意のどん底の中、KLで、マレーシア人同僚の英語もまったく聞き取れず、ますます日本に帰りたくなる。

そして、KL空港で再び始まるハグ儀式。今回は、搭乗する飛行機もアメリカの西海岸や東海岸へ別々だ。期待はしてなかったが、別れ際、ボスからのリアルでゴージャスなハグに包み込まれる。が、その瞬間、ひんやりと液体が身体にまとわり付いたことに気付く。高温多湿の気候で、ボスのノースリーブから覗く二の腕は汗でびっしょりだった。


気持ち悪くて、しばらくハグ恐怖症になったことは言うまでもない。


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