仕入れにいく。

2020/10/20(火)


























\ 仕入れにいく /


クラフトビールは浅煎りコーヒーにとてもよく似ている。


日本人はラガーが好きだし、深煎りコーヒーが好き。


それは文化として先に定着したからだし、飲み慣れているから好き、という共通の入りかたがあるから。


だから、クラフトビールを飲みにいくと、浅煎りを敬遠したくなるコーヒー屋のお客さんの気持ちがすごくわかる。


浅煎りの魅力がわからなかった頃の自分を思い出すから。


美味しいと思えないな、とそのわからなさを嘆いていたし、わからないといけない、わからないと楽しめないという縛りの中にあった。(今はわからなさを楽しんでいる)











クラフトビールを選ぶときの思考回路は、浅煎りコーヒーを選ぶときと似ている。


1、難解なメニューからわかるワードを拾う。


2、前に飲んだことがある味を思い出す


3、好きだったか嫌いだったか思い出す


4、好き→似たもので違うものか、同じものをチョイスする。嫌い→違うものをチョイスする


というような感じ。



コーヒーなら、バリスタは1-4のどこにどうアクセスするかが鍵になる。


1なら、わからないワードを説明することができるし、

2と3なら、どうして前はそれを選んだのかとか、その味のどの要素がすき、きらいだったか、ヒアリングして掘り下げることができる


4で「今日はどうしたい?」というところをすり合わせて、今日のたのしさに落とし込む。


お客さんはおいしいものはそりゃ飲みたいけど、やっぱりいい時間を過ごしたいという優先度が高いひとのほうが多いから、このやりとりをした、という体験自体がいい時間という経験になってくれると、浅煎りに悪い印象は抱かない。


悪い印象にならないから「次がある」わけで、1回で理解して好きになってもらうっていうのはギャンブルみたいなものだからそこは目指そうと思わない。(あくまでも自分は)


すこしずつでもいいから、そのひとのなかで選択肢として育っていけるような提案をすることがたのしいし、少しだけ世界が広がる体験に関与できる(かもしれない)ことがうれしい。



2人で4種類のクラフト、赤2種白2種のワインの「情報」と「印象」を仕入れる。

どの情報のものがどの印象だったかは、忘れるのだけど、それでも少しずつ自分に蓄積するしかない。


ほかの経験もそうだけど、味の体験もバリエーションがあれば、どこかにひっかかれるポイントができてくる。「体験をもっている」というのは何がどう、とは説明できなくても、やっぱり強い。積み上がっていることを実感するのはずっとずっと、ずっと、後だけど。



コーヒーしかわからないと言い切るバリスタもかっこいい。


でも自分の場合は、相手との共通の体験をとおして話しかけるような、イメージしやすい点からコーヒーにつなげるのが好き。









自分がめちゃくちゃいいなと思う店に行って、その店の何が好きで、どこを素晴らしいと感じているかを確認するのは何よりモチベーションの充電になる。



「知らないから選びにくい」を、「少しなるほどって思ったから選んでみようかな」に変えられるアプローチがやっぱり大事だよね、とアツく語った後、結局飲み慣れたサッポロ赤星の瓶ビールを飲んでやっぱこれが最高、というようなカジュアルさとともに伝えていきたいです。笑




「スペシャルティコーヒー」の浅煎り、深煎り2種の飲みくらべ体験、いろいろフードペアリングはこちら


https://tabica.jp/travels/30033


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