大人の社会見学:包丁作り体験記

2019/5/23(木)

深夜のテレビ番組で紹介されていた「五香刃物製作所:関東牛刀」。

テレビを見ていて良い包丁だなぁ...

買いに行けない距離でもないから、買いに行きたいな!などと思っていた矢先、

TABICAの、このコース案内がSNSにポロっと表示。

こんな機会は滅多にないと思い、即座に申し込みました。

元料理人で包丁大好きオジサンの私!!


当日は遠足に行く子供のごとく、ワクワクドキドキが止まりません。

和包丁の作成工程は座学程度には知っていましたが、

実際の経験を身に通してみると価値観が変わるだろうと考えていました。


朝に最寄りの駅で、もう一人の参加者:Nと待ち合わせ。

ナビゲータさんがお迎えに来てくれたので、いざ現場へ!!


最初の工程は鋼材の切断から。

鋼材を電ノコで包丁型に合わせて火花をまき散らしながら切断!








その後、包丁型に近づくようハンマーを振り下ろしバッチンバッチンと切断!!

私はこの作業結構好きだなーとゴーグルの中でニヤニヤしてました。








次はグラインダーで包丁型に近づくよう削り出し。

グラインダーパワーが凄く、持っていかれそうになるシーンが何回もあり。

まさに男の仕事!!








次の工程は包丁に刻む名入れ!!

金属板に練習で暫くの間刻んでいたが、全然上手くいかず。

一緒に参加した相方Nはハードルの高い文字を!!

いざ本番では練習と同様に上手くいかず、ちょっと笑いが出ました。

金属を刻むのって凄く難しい...失敗したらリカバーできないし...









そして休憩(午前の部は終わり)。

職人さん、ナビゲーターさん、私とNの4人で昼食を取り、

現在のオートメーション化されていく工場生産の話や、

若者の仕事への意識についてなど、色濃いお話を聞けました。

共感できる事が多々あり、現代社会での難しい問題の1つだなと考えさせられました。


昼食後、焼き入れ→焼き戻し!!

包丁に命を注ぐ工程!!見るのとやるのでは天地の差を感じる作業!!

焦がす様な熱気と真っ赤に燃える包丁には吸い込まれそうな魅力を感じました。








その後、職人さんに包丁の厚さや刃の形状に近づけて頂く荒砥から平取りの作業。

私とNは横で眺めていました。この作業は傍から見ていても難しい作業なのは一目でわかる。








そのあとは柄付。

柄付も金属の形が皆同じではないし、それに合わせて作るので、丁寧に手作業。

柄も丸みを帯びるように綺麗に削る。









最終工程の研ぎは職人さんにお願いをして、本刃付け。

私は自身で包丁を研げるのですが、今日はお願いしちゃいました。

最終工程を経て出来上がった牛刀に触れ、

ああ、この刃付けですよ!!これですよ、これ!最高です!!








Nは包丁に目覚めたのが最近なので、特別に砥石での研ぎ方をレクチャーしていただきました。

帰りしなにNがオレンジを試し切りさせていただいて、

切れ味を実感してニヤニヤしていたのが忘れられません。


このコースに参加して大好きな包丁を作る経験と体験ができたことは非常に満足です。

手作業にこだわった物づくりの姿勢はグッときました。

和包丁制作との工程の違いや、鍔付きでの手間、上級鋼材の扱いの難しさなど、

実際に作業を通した後に聞く話は、イメージも捉え方もガラリと変わります。


現代は物があふれている時代、どこに行っても大体のものは手に入る。

そういう環境も手伝ってか、道具や物を大事にしない、また手入れの方法を知らない人が多い。

そして道具の価値や良さに重きを置かれていない時代になりつつある。

包丁はほぼ毎日使う道具であり人生の相棒の1つ、だからこそ良いものを使いたい。


色々な方にこのような物づくり体験を触りだけでも経験してもらいたいと思う。

物事への捉え方、価値観が大きく変わるきっかけになるかもしれない。


夏にでも一生の相棒になりえる牛刀をオーダーしたくなりました。

最後に...右手の親指の付け根が筋肉痛になり、翌日は箸を使うのも難儀してました。

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