キャンプなどのアウトドア経験は災害時に役に立つのか?
2020/8/18(火)
コロナ禍の中で「三密」を避けて楽しめるということもあり、またもやブームとなっているキャンプ。
中には「災害対策や防災にも役立つし」と考えて始めたという人もいることでしょう。
よく聞かれる「防災にも役立つキャンプ」ですが、本当に防災に役立つのでしょうか。
私の個人的な見解としては「役立つこともあるけどキャンプ経験だけでは災害の備えにはならない」です。
例えば、家に住めなくなり避難所にも行けず外で生活するしかない、という状況になった場合、
キャンプは基本的に電気もガスも使わない前提のアクティビティなので
テントを張って焚き火などで調理して…というのはとても役立つ経験です。
テントなどの道具がある、というのもこの上なく役立ちます。
ただ、通勤途中であったりお買い物中であったり、外出中に災害が起こってしまい、手元には限られた道具しかない場合…
道具ありきのキャンプ経験では、もしかしたら歯が立たないこともあるかもしれません。
キャンプというのは、(いろいろな形がありますが)野外で楽しく過ごすことを目的にしたアクティビティだと思います。
「不便を楽しむ」というのも、最低限命が保障された状態での楽しみです。
災害時に必要な技術や経験、知識とは、まさに命の危険がある状態で
どうやって生き延びることができるか、どうしたら危機を脱することができるか
に集約されるのではと思います。
私自身、そのようなサバイバルな状況に陥ったことはないので想像で備えるしかないのですが、
災害対策の勉強をする中で、やはりキャンプの経験だけでは知り得ないこと、カバーできないことがありました。
私が主催するワークショップに来ていただいた方の中にも、長年キャンプなどのアウトドア経験を重ねている方がいましたが
その方曰く「知っていた情報も中にはあったけど、災害対策という観点から考えると新たな気づきがあり、深めたくなった」とのこと。
原始の火起こしの達人でも「災害時に原始の火起こし方法で火をつける?」という質問に対して
「現代にはマッチやライターという素晴らしい道具があるからそっちの方がいいよね」という答えが返ってきたり。
サバイバルの原則を知っていればいるほど、原始的な技術を高めるよりも事前に備える方が災害対策としては効率的だという考えになっていきます。
(もちろん、何もない状態で危機を脱するために原始的な技術を高めることも重要ですが)
「私は普段からキャンプしてるから平気!」という人にも話を聞いてもらいたいなと思っています。
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