成田空港へ行くのに、パスポートはいらなかった:飛ばない空港へ行く旅

2026/11/1(日)

飛ばないのに空港へ行く旅|成田空港を「通過点」から「目的地」へ

飛行機に乗らないのに、わざわざ成田空港へ行く。

そんな旅があっても面白いと思いませんか?

成田空港といえば、海外旅行や国内旅行の出発地。多くの方にとって、目的地へ向かう途中に利用する場所です。

ところが、私たちは2018年から、空港や鉄道などの交通施設そのものを楽しむ体験ツアーを企画してきました。

現在は、成田空港の3つのターミナルを歩く見学ツアーをはじめ、かつての空港駅、地下通路、空港周辺の歴史や風景を訪ねる体験を開催しています。

こうした取り組みを、旅行者の目線から物語にしたのが、無料電子書籍『成田空港リトリート 飛ばないのに、成田空港へ行く旅』です。

今回は、この短編小説から印象的な場面を紹介しながら、飛行機に乗らない空港の楽しみ方をお伝えします。

「成田空港へ行くのに、パスポートはいらなかった。」

これは小説の冒頭の一文です。

主人公は、仕事や日常生活に少し疲れた一人の旅行好き。以前は海外旅行を楽しんでいましたが、最近は時間や費用、気持ちの余裕がなく、旅の計画を立てても実行できない日々が続いていました。

そんな時、成田空港を飛行機に乗らずに楽しむという情報を見つけます。

遠くまで行く必要はない。空港の近くに一泊して、温泉に入り、翌日は空港をゆっくり歩く。それだけでも旅になるのではないか。

主人公は、思い切って一泊二日の小さな旅を予約します。

ここで描きたかったのは、旅行の楽しさは移動距離や旅行代金の大きさだけでは決まらない、ということです。

成田空港には、飛行機に乗らなくても味わえる非日常があります。

世界各地へ向かう出発案内、行き交う旅行者、さまざまな国の航空会社、巨大な建築空間、空港で働く人々。

普段なら乗り継ぎや搭乗手続きで急いで通り過ぎる場所も、時間に追われず眺めてみると違った風景に見えてきます。

「飛ばないのに空港へ行く旅」は、まだまだ広がります

成田空港の楽しみ方は、3つのターミナルだけではありません。

かつて「成田空港駅」と呼ばれた東成田駅には、開港当時の面影が残っています。空港第2ビル駅から続く約500メートルの地下通路を歩けば、華やかなターミナルとは違う空港の歴史を感じられます。

空港の東側には、滑走路下を通る木の根トンネルや、航空機を間近に感じられる東峰神社があります。

映画やテレビドラマのロケ地になった場所、空港を支える市場や周辺地域、そしてこれから大きく変わる成田空港の未来。

どれも「飛ばないのに空港へ行く旅」の題材です。

飛行機が好きな方はもちろん、鉄道やバスが好きな方、歴史に関心がある方、建物やアートを楽しみたい方、一人で気軽に出かけたい方にも、それぞれ違った発見があります。

最後の一文に込めた思い

小説の終盤には、次の文章があります。

「たぶん私は、この二日間で、旅を飛行距離だけで測らなくなっていた。」

私がこの物語で一番伝えたかったことの一つです。

遠くへ行ったから素晴らしい旅になるわけではありません。

身近な場所で新しい発見をしたり、いつもと違う時間を過ごしたりすることも、立派な旅だと思います。

次の休日、飛行機に乗る予定がなくても、成田空港へ出かけてみませんか。

きっと、これまでとは違う空港の表情に出会えるはずです。

「飛ばないのに空港へ行く旅」にぜひ、お越しください!

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