篆書体を使って私紋をデザインする
2025/7/7(月)
自分のしるしを作るワークショップ、私紋スクエアには2冊の漢字辞典をご用意しています。
この辞典を使ってワークショップに参加する皆さんはご自身のお名前の漢字を調べ、デザインに取り入れたりもします。(必ずしも入れなければいけないということはありません)
漢字辞典と言っても、この辞典で調べられるのは常用漢字ではなく、実印や銀行印などで使われる、あの読めない漢字、篆書体(てんしょたい)です。
漢字の起源
漢字の起源は紀元前1300年代の中国、殷王朝時代。殷の甲骨文字。亀の甲羅や獣の骨に刻みこまれた文字、卜辞(ぼくじ)のことを言います。
卜辞と言うのはその当時、亀の甲羅や牛の肩甲骨などを使って占い(炭などで熱して、ひび割れの様子を観察する)を行っていました。
その占いの結果を記録するのに刻んだ文字が漢字の起源と言われています。
その後、青銅器などに刻まれた文字、金文が誕生し、紀元前3世紀末頃になると現在私たちが印鑑などで使っている篆書体が生まれました。
その背景には、中国を統一した秦の始皇帝が異なる民族をまとめ、意思疎通できるようにと文字を統一したそうです。
名前の漢字の語源を調べる
では、さっそく私の名前(絵里)を辞典で調べてみると
絵を分解すると、糸と会に分かれます。糸は衣服の文字、会は飲食器類に属する器物の文字。
衣服は人の魂を包むものとして、誕生や葬儀の儀礼から漢字が生まれました。会は、蒸し器を表す曾に蓋をしたのが会。
次に里を分解すると、田と土に分けられ自然の文字となります。
その二つが合わさった里は里社を指します。要するに神社ですね。
絵と里をつなげてみると一つのイメージが浮かんできます。
神社で糸を紡ぐ側で、蒸し器が湯気だっている風景です。蒸し器の中には何が入っているんだろう?笹団子かな〜
最終的にできあがった私の私紋
私の私紋に絵里の2文字を漢字で入れていますが、私の場合、篆書体を使わず常用漢字をデフォルメしてオリジナルの漢字にしました。
そうした理由は、グラフィックデザインを生業としているため、自分の名前をデザインすることで、デザイナーを表現したかったからです。
どこに入っているか、わかるかな?