船釣りと食育

2024/5/17(金)

「食育」というテーマは、特に子育てを通して親が意識するものですね。

意識しないと、子供は自分が口に入れている命を軽く考えがちです。


「もういらない」


安易に食べ残してしまうことがその代表例です。


現代社会では食卓に並ぶ料理の素材がもとは「どう生きていたか」を想像しづらいんですよね。

なので、命についてまじまじと考える機会もあまりありません。



人間は生物の命をいただかないと生きていけないわけですが、それこそ、都市河川に生えている野草をとって食べるということも身近な食育につながります。

では、人体に必要なたんぱく質や脂質を確保するという点での食育はなんなのか。

素人が自分の手で動物を狩るのはハードルが高めです。


一方、魚釣りはどうでしょうか。

釣りであれば、比較的素人でも、子供でも、簡単に自分の手で魚というたんぱく質や脂質を確保しやすいわけです。


釣りには「釣りやすい釣り」と「釣りにくい釣り」があります。

船釣りは船長が釣れる場所・時間を考えて、船を流してくれるため比較的釣りやすいのが特徴です。




自分の手でつけた餌で、魚のことを考えて釣り、実際に釣りあげた魚を自分の手で下処理したりさばいて食べてみる。


血が出るし、内臓も出てきます。

胃袋のなかにはさっき撒いた餌が入っていますし、自然環境で食べた餌(シラスなど)も入っています。


そういった血生臭い状況に対して向き合う子供たちは、最初はびっくりするのですが、すぐ適応して、

一緒に下処理をしていきます。

終わるころには魚の構造もだいたい理解できているはずです。


半日でも船釣りをやって家に帰るとかなり疲れます。


そこで、自分の手で釣ったアジを刺身やたたきにして食べてみる。

スーパーの総菜ではあんまり好きじゃなかったアジフライを食べてみる。


すると、魚嫌いであった我が子が、魚を「なにこれ、うまい!!!!」と叫ぶんですね。


なぜか。


鮮度が高い魚を、的確に処理すれば臭みもないですし、なにより、自分が労をかけた獲物はいとおしく感じるからです。


こうした経験をしておくと、回転ずしで当たり前のように回っている大好物のサーモンやマグロなども、もとは誰かが命の処理に労をかけたものであるということがわかるのでしょう。


船釣りを通して、魚嫌いが魚好きに変わるのもよくある話です。


魚が嫌いなのは、おいしくない魚(鮮度・処理状態・調理法)を食べているからなのかもしれません。


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