金印『漢委奴国王』を鑑賞する

2024/2/21(水)

金印を見に福岡へ


ハンコの歴史と聞いて、殆どの日本人が思い浮かべるのは社会科の教科書に載っていた金印『漢委奴国王(かんのわのなのこくおう)』ではないでしょうか?

私紋スクエアのワークショップでは、始めの10分間はハンコの歴史について学びます。

人類はなぜ印を刻み、所持していたのか。

ハンコには現代にも通じる使用用途だけでなく、その時代を生きた人々の暮らし、思想、信仰などが刻まれています。


そしてこの金印、私たちの記憶には大昔の遺物のように感じるのですが、歴史を学ぶと「意外と最近なのね」と気がつきます。


ここは実物の金印を一度見ておこうと、先月福岡にある福岡市博物館へ行ってきました。

空港でまず出迎えてくれるのは、博多ラーメン。

元祖糸島ラーメンを食し、お口直しにオレンジジュースをゴクゴクっと一気飲みし、いざ金印へ!





福岡市博物館に到着



博物館の展示室に入ると、突然暗闇に。

目が慣れない中、ぼんやり小さく、小さく角張って光る金印が目に飛び込んできます。

が、正直な感想を申し上げますと、小さい。小さい過ぎる。小さ過ぎるし目が暗闇に慣れていないから余計に見えない。




その大きさは約2.3cm四方。金印はガラスケースに囲われ鑑賞者から距離があるので、瞳孔を全開に目を凝らしてみました。

凝らしたところで、見えないものは見えません。諦めて次の部屋へ移ると、明かりが灯った部屋に大型LEDディスプレイで金印が3Dになって現れます。

ディスプレイをタッチすると金印は回転し、あらゆる角度から観察できる。まさにテクノロジーに感謝する瞬間でした。



皆さんも教科書で一度は見たことある金印の持ち手部分、あの岩のような(小学生であればウンチと答えるでしょう)こんもりした物体は何だかご存知ですか?

あれ、ウンチではなく、蛇なんだそうです。確かに真上から見ると蛇の頭らしきものがあるんですね。


金印は今から240年前の天明4年(1784年)3月16日、福岡県志賀島で農作業していた百姓甚兵衛が発見したそうです。

田んぼの水はけが悪く、溝を修理していたことろ2人で抱えるほどの大きな石が出てきて、そいつを道具で取り除いてみたらキラリと光るものがあった。

こりゃあ、なんだ?と水ですすいでみたら、金印だ!というお話です。



甚兵衛さん、発見時はさぞ興奮したでしょうね。

私も幼少期に祖父母の庭で土を掘っていたら、猿の顔をした土でできたおはじきが出てきて興奮したのを覚えています。

おはじきの裏を見ると、作った人の指紋がくっきりついていました。

誰かがそれに触れていたんだと、幼いながらに妙な興奮を味わいました。


さてこの金印、実は謎とミステリーに包まれているのをご存知ですか?

ここでは深く掘り下げませんが、気になる方は福岡市博物館で調べてみてください!


金印のあの持ち手部分、最近の研究では「蛇ではなく、ラクダの原型を改変したもの」という新しい説も出ているそうですよ!



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