メタルマッチ(ファイヤースターター)
2023/8/24(木)
簡単に火をおこす道具というとライターやマッチがありますが、キャンプではあえて苦労を楽しむことも醍醐味です。
金属でできている火おこし道具「メタルマッチ」別名ファイヤースターターは、キャンパーの間で本格的に火おこしができることで人気があります。
初心者の方は使い方がわかっていても、上手く火おこしできないことも少なくありません。
★メタルマッチとは
メタルマッチは昔の火打ち石と構造は似ていて、それを現代的な火打ち石にしています。コンパクトで持ち運びやすいので、キャンプやその他のアウトドアレジャーなどに最適なアイテムです。この道具を使って火おこしをする前に、知っておいたほうがいい基本的な知識を紹介していきます。
メタルマッチは燃えやすい金属の棒(以下ロッド)を鋭利な形状になっている金属片(以下ストライカー)の二つのアイテムを組み合わせたものです。
ストライカーでロッドを削り、着火しやすい火口に金属粉をふりかけ、ストライカーでロッドを勢いよく擦ることで火花を発生させ、引火させます。
★メタルマッチと他の着火装置の違い
メタルマッチはマッチやライター、バーナーなど違いある程度の天候であればほぼ影響を受けません。マッチやライターは水に濡れてしまうと火がつきにくくなりますが、メタルマッチは濡れても拭けば使用できます。また、ライターやバーナーと違って燃料切れなどの心配もないので、一つあれば長く使用可能です。
★メタルマッチの使い方
メタルマッチの使い方は難しそうに見えて、意外と簡単です。火打ち石と構造が似ており、コツは必要ですが慣れれば火おこしが楽しくなること間違いなし!
1.ロッドを削る
まずは火口となる燃えやすいものを用意しましょう。燃えやすいものは麻紐やチャークロス、ティッシュなどで大丈夫です。その上にストライカーでロッドを削ります。ロッドをたくさん削ればその分火がつきやすいですが、ロッドをたくさん消費してしまうので慣れてきたら削る量を減らして挑戦してみましょう。
2.火をつける
ストライカーをロッドに対し垂直に置き、勢いよくこすり火花を散らしましょう。削り落とした金属粉に火花を散らせれば火がつきます。ここで勢いが足りないと火花がうまく散らないので、ストライカーを固定してロッドを手前に引くのがポイントです。
3.火を大きくする
火口に火がつき始めたら燃えやすい小枝や枯葉、新聞紙などを足して火を大きくしていきましょう。ポイントは一度にたくさん足すのではなく、少しずつ足すことで徐々に火は大きくなっていきます。
●メタルマッチの選び方
1、ロッドの素材で選ぶ
メタルマッチのロッドにはフェロセリウムとマグネシウムの2種類の金属があります。
フェロセリウムは発火温度が約170℃と低いため、火がつきやすく初心者の方におすすめです。
もう一つのマグネシウムは発火温度が約470℃と高いため、発火させるのに少しコツがいります。メリットとして価格はマグネシウムの方が安価なので、メタルマッチでの火おこしに慣れている方はマグネシウムの方がおすすめです。
2、ロッドの形状で選ぶ
ロッドの素材以外にも太さにも注目しましょう。ロッドの部分の長さは6cmがおすすめ。6cm以上の長さがあれば、一回で削れる金属粉が多くなり、より多くの火花を散らすことができるからです。
また、太さに関しては直径8mm以上のものがおすすめ。ロッドは消耗品で使用するたびに削れていきますので、太い方が長く使えてコスパが良いからです。
マグネシウムロッドのメリット
●価格が安い
マグネシウムのメタルマッチはフェロセリウムのものに比べて 安価 に設定されています。
とは言え、数千回もの着火が可能なメタルマッチにおいてはさほど大きな金額の差とは言えないでしょう。
無骨なものや小さめのサイズの物の場合は 紛失 しやすいので、物を失くしやすい人にはおすすめかもしれません。
フェロセリウムロッドのメリット
●火花が起きやすい
火花を起こすという基本的アクションに関しては、フェロセリウム の方が簡単です。
これは、フェロセニウムが 鉄とセリウムの合金 という点に起因します。
セリウムは 着火温度 が低いため、小さな摩擦でも 簡単に火花を起こすことが出来るのです。
●火花が大きい
火花の大きさはロッドのサイズや長さに影響されますが、同じ大きさのものを使用した場合、マグネシウムに比べて 大きな火花 を発生させることが出来ます。
そのため、火花のみで火口に着火させる場合は フェロセリウム の方が 着火率が高い と言えるでしょう。
マグネシウム ⇒ 安価
フェロセリウム⇒ 火花が起きやすく・大きい
となります。
このことから、基本的な性能はフェロセリウムの方が高い と言えるでしょう。
価格を無視するのであればフェロセリウムタイプのロッドの方が優秀です。
状況によっては火花のみを使って着火するのが難しい場合があります。
そんな時のテクニックとして、優しく表面を削ることで 金属粉 火口に纏わせるという方法があります。
こうすることで、一気に大きな熱を発生させることができ 着火の可能性を向上 させることができます。
この場合はロッドの消費量が増えるので、高価な フェロセリウム では勿体ない気がします。この場合は、火花の大きさによる デメリット も解消されるため、マグネシウム の方が消費を気にすることなく使用できます。
さくランドの火おこし体験では非力でも火花を起こしやすいフェロセリウムと少しコツがいる(上級者用と呼んでいます)マグネシウムの2種類と、昔ながらの火打石も用意しております。