植木等・映画散歩、みんなでハラホロヒレハレ〜

2022/11/28(月)

都心の樹木も色づき、澄んだ秋空全開のなか 久しぶりの「映画散歩」を実施しました。

歩くにはもってこいの季節で、ココロも弾みながらの準備。

5年前から始めた「映画散歩」も、しばしコロナ禍の影響でなかなか思うように開催できませんでしたが

なんとか今回、そうなんです、ainiで初の試みで11月16日と19日の2日間

みなさんにお集まりいただき、楽しい一日を過ごすことができました。


日本映画研究家・高田雅彦氏が今年の1月に4冊目となる著書「今だから!植木等」の刊行を記念して

いろいろあるコースバリエーションの中から、特に植木等(クレージーキャッツ)の映画ロケ地を

めぐるツアー。

そして、19日は散歩の後に"成城クレージー・ベンチャーズ”とともにクレージーソングで盛り上がる

ミニライブ付きという楽しさ倍増のプランでした。


ということで、16日と19日を織り交ぜながらツアーのご報告をいたしますね。

但し、作品名とロケ地を結ぶご案内は、やはり現地でのみにさせていただきます。

このツアーの一番の売りですし、PBな部分もありますのでどうぞご了解ください。


そうそう出発前に、「映画散歩」特製オリジナルグッズをみなさんに。

今回のツアーは、ずっと植木等と一緒に楽しんでいただければ!という美味しいグッズです。





スタートはもちろん、東宝がある成城学園前駅から!

今回のコースは、この成城学園前駅周辺から始まり成城のまちを南北に縦断

そして東宝を回って仙川沿い、小田急線高架下へとめぐり

16日はここからまた成城学園前駅に戻って解散、19日は更に隣の祖師谷商店街まで足を延ばし

"IKEDA”というライブスタジオでのミニライブ。

両日ともに、なかなかの距離を歩くという盛りだくさんコースでした。

スタートの駅前から、もうたくさんの作品説明やまつわる店の成り立ち、裏話などなど

ガイド講師・高田氏の名調子が早くもフル回転です。




駅前から北上した成城通りは、まさに紅葉まっただ中!

成城学園に続くいちょう並木や住宅街のさくら並木も見事な色づき

おまけに青空とのコントラストもあって、本当に素敵な秋景色。

みなさんも「わぁ〜お!」と声を上げ、まち風景の楽しみも味わっていました。

この通り沿いは・・・それはもうたくさんの作品が撮られていますし

文化人のお宅もいろいろ。

思わず、通りの真ん中に出て撮影したくなる気持もわかりますが

成城のまち、特に駅周辺は狭いし人通りや車も多いので本当に気をつけましょう!


「映画散歩」では、貴重なビジュアルの数々をお見せしながらご案内しますが

結構、当時の面影がまだ残っているところもありますし

文人や音楽家、作家など映画人だけでなく成城のまちに住み、暮らしてきた人たちのエピソードや

その家(跡)などもご紹介しています。



成城の商店街も世代交代によって様変わりしたり、閉店してしまうところもあり

段々変わってきたのは淋しいですが、スクリーンの中にはそういったまちの姿が生き続けているのです!



成城のまちには「成城憲章」という住まい方のルールがあり、そのまちなみや自然との共存、

人との交流などが守られています。

近年は新しい世代が移り住み、それをご存じない方々もいらっしゃいますが

再来年にまち誕生100年を迎える成城が、今も美しい姿を留めているのは

そういうしっかりとしたルールを継承してきたことにあります。


*成城のまちや家を探訪するまち散歩もありますので、詳細はそちらで!


また世田谷区には、保存樹木として残る大木が多くあります。

ココ成城界隈にももちろんそびえ立つ樹木が所々にあります。

この保存樹木を大事に後世へと繋ぐため、樹木をよけて家を建てたりしています。

美味しいイタリアレストランを見ながら、そんな保存樹木のある家並みの方へロケ地を求めて進むと

おや?!誰かさんがお馴染みの格好で・・・!!



高田氏の名調子が続くなか、駅周辺を少し離れて国分寺崖線の淵へと進みます。

秋の穏やかな陽ざしがココチエェ〜〜

マスクごしのためしゃべる方も聴く方もなかなか大変ですが、意外なロケ地現場を訪れるのは

やはり貴重で、しかも楽しい!ので、みなさんとても熱心です。

あっ!ハロホロヒレハレしているひげちゃびんのおっさんは!!



閑静な住宅街をしばらく歩きます。

「えっここって個人宅?!」と驚かれる方もいらっしゃいましたが、成城の家はまちの形成当時から

和館・洋館と特徴のある家が多くありました。

後の樹木の向こうに、これまた特徴ある当時からの洋館があるのですけれど

60歳前後の方ならご存じかも!のTVドラマ含め数多くの映画にも登場した家です。

現在はある方がアトリエとしてお使いになっていて、残念ながら当時の雰囲気は留めていません。

以前、この前は門柱まで広くオープンになっていたのですが、これも時の流れですね。

今では こうやって家々のスキマから拝見するのみとなりました。


道行く一般の方々は、いったいこの人達はこんなところで何をしているのだろう?!って思うはず。

「映画散歩」をやっていると必ずそういう方達の質問を受けます。

そのくらい、まちの風景に自然と溶け込んでいるのがロケ地めぐりなのですぅ!

成城に住まわれた文化人、音楽家、映画人らも同じように、普通にまちに暮らし

特別な感じではありませんでした。

そんなところが成城のとても素敵なのでは!ないでしょうか。



国分寺崖線の淵がここから小田急線を越えてしばらく続きます。

ここは現在、保存地区となっていて普段の出入りはできません。

植木等が浜美枝との新婚家庭となった家があったのですが・・・・

その面影は全くありませんね。


成城にはこういった保存地区が数カ所あります。

"世田谷トラストまちづくり”が管理している貴重な自然財産のひとつです。

保存地区には出入り自由なところもありますが、どこもいきものたちにあふれ自然と水の宝庫となっています。

成城はこの国分寺崖線(多摩川が10万年以上の歳月をかけてつくってきた河岸段丘)の台地にできたまちなのです。

「映画散歩」では、こういった世田谷の自然や類い希な環境も感じることができます。

映画やドラマのなかでも、そういった印象深い地形が多く登場します。



その崖線の淵に建ち保存住宅となっている"山田邸”へも立ち寄りました。

ここは成城で公開されている保存住宅2軒の内のひとつ。

普段は中の見学も可能ですが、今回はここを見ていると日が暮れてしまうので

庭先の崖を確認しただけで、先を急ぎます。


*成城のまち探訪では、こういった家もめぐります。


そして崖沿いを行くと、小田急線を下に丹沢山系や富士山を望むポイントに着きます。

この橋でも、数々の作品が撮影されていますが

晴れたら本当に素晴らしい眺めですし、夕景の美しさはなかなか見事です。

今回のノートでは、特別にその夕景をご紹介しましょう!



こちらは"富士見橋”からの眺め。



こちらはもう一つ西側にある"不動橋”からの夕景です。


さぁ、ここからは1951年仮称成城小学校として結成された明正小学校(1953年4月開校)に寄りながら

東宝の前身であるP.C.L.があった場所と東宝スタジオへと向かい、ツアーも終盤へ。



今はもう本当に普通の家が建ち並ぶ、とある一角がP.C.L.でした。



「七人の侍」「ゴジラ」「モスラ」の3壁画が大迫力の東宝スタジオ。

成城のまちには、ここが撮影地だったとか映画に関する表記は一切ありませんけれど

流石にここに来ると、あぁ映画のまちなんだなぁ!と思い知らされます。

高田氏や私(ホストokamoto)は、長年この界隈に住んでいるので何かと東宝は身近な存在ですが

それでもこの壁画が完成したときは、歓声をあげたものです。



この通りは最初の世田谷通り、東宝の正門はここにあり渋谷からのバスがここで折返し運転をしていました。

今、世田谷通りは水道道路を越えてその先にあるのですけれどね。

そしてこの通りは、映画関係者や俳優達が行き交う賑やかな商店街でもありました。



仙川沿いはかつてのオープンセットや大プールがあった場所です。

護岸工事前の仙川は、「七人の侍」にもあるようにサラサラと流れる小川(暴れ川でもあったのですが)でした!


ここからはまた成城の南側住宅街や成城学園前南口をまわり、仙川を越えた高架下へとめぐり

「映画散歩」ロケ地めぐりは終了となりました。


そして、19日のミニライブは この後祖師谷の"IKEDA”で。

みなさん少々お疲れ気味(そりゃそうですね、休憩無しで3時間の散歩でしたから!!ほんとお疲れさまでした)。

でも、"成城クレージー・ベンチャーズ”の演奏が始まるやいなや

手拍子と一緒に歌いながらの、超ノリノリのライブタイム。

なんてったって、バンドとの距離が近いっ!!し、バンドメンバーみなさんも素敵素敵ですし!!



乾いた喉を潤しながら、ヴォーカルに大変身した高田氏の歌声と"成城クレージーベンチャーズ”のライブを

大いに堪能しました。



ハイっ!!ハラホロヒレハレ〜もね、一緒です。


さて、今回の「植木等・映画散歩」いかがでしたでしょうか。

ご参加くださったみなさんには、本当に感謝です!

これからも、コロナの様子を見ながらいろいろなコースを催行していきますので

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。


来年くらいには、以前やりました ちょっと遠出のバスツアーも再びできたら!と考えていますから

こちらもお楽しみに!


最後に、今回訪ねた植木等の作品なども詳しく解説している「今だから!植木等」の書籍を

しつこくご紹介します!!

成城の三省堂やほか各書店にもありますし、出版社からも購入できます。

下にリンクを貼っておきますので、こちらもお見逃しなく!



https://alphabetabooks.com



ではまた、みなさん元気にお会いしましょ!!

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