古代の色彩の復元は色鮮やかで極彩色
2021/10/5(火)
『天平の匠に挑む―古代の知恵 vs 現代の技術』展に行きました。
鑑真和尚で有名な、唐招提寺の復元に関する展覧会です。
私は、古代の彩色の復元が見たかったのです。
当時のグラデーション技法である、
繧繝彩色(うんげんさいしき)の復元などをみて
にやにやしていたりなかしておりました。
先日、友人たちの間でも話題になったのですが
日本人の思う「古いお寺の色」って、地味なイメージですよね。
木をそのまま生かして、色を塗らず
自然と一体となるような。
でも。違うんです。
鑑真和尚が日本に訪れた時代は
「唐の文化である仏教をそのまま取り入れた色」
柱は真っ赤に塗られていて
屋根の上にのった鴟尾(しび)も
ご本尊もきらっきらの金色に塗られていました。
境内も、カラフルです。
白黒青緑赤黄色と
それぞれの中間色を使った極彩色の
グラデーション塗りでお出迎えです。
私たちは今、沢山の「色」のついた衣服を気軽に着たり
カラフルなスイーツを食べたり
プラスチック製品の色とりどりの小物を使ったり
しておりますが
当時の生活には、色がついている「人工物」は
本当に少なかったんですよね。
「色」はとても高価な素材でできていたので
それを使うためには財力が必要で
なので、カラフルな装いをしている方なんかは
相当な実力者だったりしたわけなんです。
お寺も一緒で。
当時は「国を押しての新興宗教」である「仏教」を
いかにすごいものであるかというのを
一発でわかってもらうために
「色」の力を利用したと言われています。
今までに見たことのないような建築で
遠くからみてもめっちゃ目立つ
そして中に入ると、
「ザ・極楽浄土の世界」
が広がっている。
「仏教めっちゃすごい!ヤバイ」
っていう効果を狙っていたのだと言われています。
あ、もちろん、今でも赤いお寺ありますよね。
数年前に訪れた、日光の輪王寺なんかは
大修理が終わった直後だったので
外から中から完全に真っ赤な世界に
黄金の大きな大きなご本尊がどーん!と構えてらして
うおう、、迫力!と思いました。
とまあ、長くなってしまったのでこの辺で。
こちらの展覧会は
竹中工務店のGALLERY A⁴で10月8日まで開催中です。
入場無料ですが、事前予約が必要です。
(私は急遽いけることになったので5分前に予約しました💦)
URL:
http://www.a-quad.jp/exhibition/exhibition.html